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F・トーレス「クラブW杯はボーナスのようなもの」
FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2012
トーレスは「いつかプレーしたいと常に思ってきた大会」とクラブW杯への思いを明かした
トーレスは「いつかプレーしたいと常に思ってきた大会」とクラブW杯への思いを明かした【Getty Images】

 2011年1月のチェルシー移籍以降のフェルナンド・トーレスは、リバプール時代とはまるで別人のようにゴールから見放された。もちろん監督が次々と変わることによる戦術的な混乱や、トーレスにパスを供給する司令塔不在というチーム事情はあった。しかし、11−12シーズンのマンチェスター・ユナイテッド戦では無人のゴールにシュートを外す失態を犯すなど、全盛期のキレを失っていたこともまた事実だ。


 期待が高かった分、当初は批判も多かったが、ようやく風向きは変わりつつある。何より大きかったのは昨シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝第2戦で王者バルセロナに引導を渡すゴールを決めたことだろう。第1戦を1−0で勝利したチェルシーは、10人での戦いを強いられた第2戦で1−2とリードされていた。アウエーゴール差であと1点が必要だったバルセロナの猛攻を耐え凌ぐことで精いっぱいだったが、試合終了間際にトーレスがカウンターから得点し、チームを決勝進出に導いた。チェルシーはその勢いで決勝でもバイエルンを破り、悲願のCL初制覇を果たす。


 3度目の出場となったユーロ(欧州選手権)2012では、途中からの出場が多かったが、3得点を記録。チームの大会連覇に貢献するとともに、得点王にも輝いた。迎えた12−13シーズンも3試合で2ゴールを決め、チェルシーのスタートダッシュに一役買っている。


 CLを制したチェルシーは12月に日本で行われるFIFA(国際サッカー連盟)クラブワールドカップ(W杯)に出場する。チームにとってもトーレスにとっても初の出場となるが、タイトル獲得への意欲は強い。「いつかプレーしたいと常に思ってきた大会。クラブW杯が新たな喜びをもたらしてくれる大会となることを願っている」。復活を遂げつつある男が、大会への思いを語ってくれた。

素晴らしい経験になると信じている

――個人としてもクラブとしても初の経験となるクラブW杯が近づいている。今はどんな気持ち?


 クラブW杯への出場は自分にとってもチームメートにとっても素晴らしい経験になると信じている。これはボーナスのようなものだと思うよ。チャンピオンズリーグを制して幸福に浸っている間は、後にタイトルを獲得するチャンスがついてくることまで考えなかったからね。クラブW杯は獲得したことがないタイトルだから、大歓迎さ。


――今季目指す全タイトルの中で、クラブW杯はどのような位置づけになるのだろう?


 まだプレーしていない未経験の大会だから、位置づけするのは難しいな。でもこの大会を制したチームはその年のクラブ世界一とみなされる。それがすべてを物語っているよね。個人的にもとても貴重な体験になるし、各大陸で重要なタイトルを勝ち取らなければ出場できないこともまた、この大会の重要性を表している。とはいえ、ほかのタイトルと比べてその重要度がどの位置にあるのかは正直言って分からないよ。


――個人的にはどのようなモチベーションを抱いている?


 この大会にたどり着くまでの道のりが長く厳しいものだったことがすべてを表していると思う。再びこの大会でプレーできる機会があるかどうかなんて誰にも分からないからね。今はビッグクラブの強豪チームに所属しているので、再びたどり着くチャンスはあるかもしれない。でも自分はもうそんなに若くない。先のことは分からないわけだから、このチャンスを生かさなければいけない。

いつかプレーしたいと常に思ってきた

――チェルシーにとってこの大会はどんな意味を持つのだろう?


 大きな意味を持つと思う。初出場なわけだからね。優勝すれば近年積み重ねてきた名声を世界中で高めることができる。


――君にとってクラブW杯はどんな存在?


 いつかプレーしたいと常に思ってきた大会だよ。昔からインターコンチネンタルカップをテレビで観戦してきて、選手になった後はいつか主役の1人としてあのピッチに立ちたいと考えていた。ついにそのチャンスが訪れたわけだから、最大限に楽しみたいと思う。


――タイトル争いにおける最大のライバルは南米王者のコリンチャンスだろう。ブラジルのチームについて何か知っていることはある?


 正直ほとんど知らないんだ。監督は準備を進めてくれると思うけど、今の段階ではまだ相手のことは考えていない。いずれにせよ、ブラジルのチームというだけでリスペクトは生じるよね。


――大会の得点王を狙っている?


 あらゆるタイトルを取りたいと願わない選手なんているかい? 自分はストライカーであり、ゴールを決めるのが大好きさ。だからもちろん得点王になれたらうれしいけど、何よりも重要なのはチームとして優勝することだ。僕らは良いシーズンを送るために厳しいトレーニングを積んできた。FAカップ、CL、そしてユーロ2012に続き、2012年の最後に迎えるクラブW杯が新たな喜びをもたらしてくれる大会となることを願っているよ。


(翻訳:工藤拓)


<了>


(協力:FIFAクラブワールドカップ事務局)

セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky
セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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