異色、貪欲…甲子園に挑む指導者たち=神村学園・山本監督、佐世保実・清水監督
神村学園・山本監督の異色の経歴
神村学園高は初戦、平藪(写真)の好リリーフもあり智弁和歌山に3対2で勝利。次戦、優勝候補の光星学院高と対戦する 【写真は共同】
実は、長い高校野球史の中で、審判と監督で甲子園を経験したのは山本監督だけ。後にも先にも、ひとりもいない。
智弁和歌山戦で、審判経験者が指導するチームならではのプレーがあった。キャッチャーがバックホームに備える際、付けていたマスクを投げ捨てるのではなく、ポケットに引っかけて、返球を待ち構えていた。マスクがホームベース周りにあると、ホームを狙う三塁ランナーの邪魔になりやすいためだ。
紅白戦では自ら、球審を務める。ストライク、ボールをきっちり判定できる球審がいてこそ、ゲームは成り立つものだ。また、球審目線で見ると、ピッチャーの球の質やキャッチング技術がよくわかる。
少し話はそれるが、独自の練習法で「低め」を意識付けている場面を見たことがある。ブルペンでのピッチング練習中、キャッチャーがうつぶせに寝そべり、顔の前にミットを構えていた。
「低めに投げるための練習。あそこまでやれば、嫌でも低めに投げようとしますよね」
自身の経歴だけでなく、ブルペンの練習法ひとつとっても興味深い。
次戦の相手は昨夏、今春と2季続けて甲子園準優勝を成し遂げている光星学院高(青森)。優勝候補に対して、どのような戦いを見せるか、注目が集まる。