混戦模様のアルゼンチンリーグが開幕=2012−13シーズン展望
アイドルを失ったリーベルとボカ
トレゼゲ(中央)が健在のリーベルだが、カベナギとドミンゲスがチームを去った 【写真:Photogamma/アフロ】
リケルメとの契約を抹消したボカ・ジュニアーズは、他にもパブロ・モウチェ、フアン・インサウラルデ、ファクンド・ロンカグリアら多くの選手を売却。さらにダリオ・ツビタニッチがレンタル期間を終えてアヤックスへ戻った。左ひざの前十字靱帯(じんたい)を負傷して長期離脱中のアグスティン・オリオンの代役となるGKには元ヘタフェのオスカル・ウスタリを補強、ディフェンスにはギジェルモ・ブルディッソ(アルセナル)を獲得したが、フリオ・ファルシオーニ監督は昨季終盤の不振とリケルメとの確執が原因で早期にクラブを去る可能性がある。そうなればチームは危機を迎えることだろう。
鍵となる選手たちを失ったとはいえ、昨季王者のアルセナル、2位のティグレを優勝候補から外すことはできない。近年常にリーグを盛り上げてきたベレス、エストゥディアンテス、ラヌスらも同様だ。
新たな移籍先として注目されているのは
逆にリーグを去った選手としては、昨季終了後にベロン、ガブリエル・ミリート(インデペンディエンテ)、エステバン・フエルテス(コロン・デ・サンタフェ)といった有名選手が現役を引退した。またフアン・マヌエル・マルティネスとアウグスト・フェルナンデス(ベレス)、ネストル・オルティゴサ(サンロレンソ)、カルロス・ルナとディエゴ・モラーレス(ティグレ)、マリアーノ・パボーネとフアン・ネイラ(ラヌス)、マウロ・ボセッリとエンソ・ペレス、マリアーノ・アンドゥハル(エストゥディアンテス)、リバイル・ロドリゲス(ベルグラノ)、セルヒオ・エスクデロ(アルヘンティノス・ジュニアーズ)らが国外へと移籍している。
アルゼンチンは以前から選手の輸出国であり続けてきたが、ヨーロッパの経済危機によりその輸出先は多様化してきた。現在は中国、UAE、ブラジル、メキシコ、トルコなどが新たな移籍先として注目されている。
ファンは技術レベルの向上、新たな若い才能の登場、ピッチ内外における暴力の減少、そして各チームが美しいプレーを目指すことを望んでいる。果たして新シーズンにその望みはかなうだろうか?
<了>
(翻訳:工藤拓)