常識はずれのリバウンドが横行 試合時の体重に大差も ボクシング基礎講座 第12回――計量後の増量
大幅な増量を狙う選手が後を絶たない現状
ノニト・ドネア(写真中央)は対戦相手に合わせて体重の増減を自在に操る。こうした増量が問題視されている 【(C)NAOKI FUKUDA】
選手の健康面を気遣って採用された前日計量だが、そのままの意味に解釈している選手や関係者は意外に少ない。体力回復の時間が増えたため以前にもまして減量幅を増やし、計量後の1日で大幅な増量を狙う選手が少なくないのだ。
最近では、何度か日本のリングにも上がったウーゴ・カサレス(メキシコ=元世界L・フライ級&S・フライ級王者)がリバウンドの大きい選手として知られる。普段は62キロを優に超えるカサレスは10キロ以上に及ぶ減量後に115ポンド(約52.1キロ)で計量をパスすると、試合までの1日で飲食して7キロから8キロ近くも体重を戻してしまうのだ。
西岡利晃(帝拳)が標的にしている4階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)も同様だ。バンタム級時代には試合によってリバウドを7ポンド(約3キロ)に抑えたり、17ポンド(約7.7キロ)に増やしたり自在に変えたのだと明かしている。相手がスピードのある選手の場合は軽めにして、パワーがある相手との試合では力負けしないためにリバウンドを多めにしたというのである。
体重制競技の根幹が揺るぎかねない問題
カサレスの相手のリバウンドが3キロだった場合、実際のリングで対峙(たいじ)しているのは60キロvs.55キロということになる。体重だけをみるならば、ライト級の選手と3階級下のS・バンタム級の選手が試合をしていることになるのだ。もちろん重ければいいわけではなく、その分だけ動きに精彩を欠く場合があるため一概に優位だとは言い切れないが、不公平が生じていることは事実だ。
こうしたことがまかり通っているとなると、体重制競技の根幹が揺るぎかねない。何よりも健康面で問題ありということになる。
そのため、統括団体や各地域コミッションは近年、折々に“体重制限”を設けて対応していくことになった。その策とは?
<つづく>
Written by ボクシングライター原功
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