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「継続こそ栄光への道」を示したデル・ボスケ
『ラ・ロハ スペイン代表の秘密』ユーロ2012版
準々決勝でフランスを破り称賛されるデル・ボスケ。しかし、番記者内では評価が分かれているという
準々決勝でフランスを破り称賛されるデル・ボスケ。しかし、番記者内では評価が分かれているという【Getty Images】

 ユーロ(欧州選手権)2012準々決勝で、難敵フランスを破ったスペイン。デル・ボスケ監督に対する称賛の嵐は当然の感がある。それにしても、グループステージでは苦戦続きの一方で、起用した選手がゴールする采配(さいはい)的中は実に不思議だ。

 ラ・ロハ(スペイン代表)を裏から表から楽しむために、現地で記者を密着させた、この特別編。今回は、的中なのか外れなのか分からず、まだ迷いがあったクロアチア戦後の紛糾の模様を紹介する。

それでも変えない、と断言

 デル・ボスケがまたもや自ら生傷に手を突っ込んだ。彼はすべての出版物、マスメディアのコメントを読むことを習慣としている。「チームで働くのを好む彼は、われわれに意見を求める。もっとも、最後に決めるのは本人だが」とスタッフの1人は言う。


 クロアチア戦でのスペインが、輝かしいプレーをしたとはとても言えない。引き分けで勝ち抜けというのが心に引っかかっていたようだ。「攻めるべきか守るべきか迷いがあった」とピケは試合後認めた。勝負事には駆け引きが必要で、頭の良い方法でもあるのだが、ラ・ロハは得意ではない。あの試合は勝利よりも、まず負けないことを目指さねばならなかった。


 翌日、デル・ボスケはスタッフたちと一緒に試合を見直した後、記者会見に臨んだ。同僚の多くはチームに変化を求めた。グループステージ終了後、選手は疲れを訴えた。デル・ボスケは興味深い回想をした。「金持ちだったのが、いきなり貧乏人扱いだ。われわれを評価しない者もいるんだね」。誰を攻撃するでもなく、すべての意見を尊重しながらも、急な方針の変更や選手の入れ替えはないと断言した。


 思えば、南アフリカでのワールドカップ(W杯)でもそうだった。先週も書いたが、初戦スイスに敗れた後、ブスケツを標的にした批判が降り注いだが、デル・ボスケは意見を変えず、それが正しかったことは優勝という結果で証明された。だから今回も、ここで何かを白紙に戻すことはないと見る。


 今、メディアの批判にさらされているのは、右サイドバックのアルベロアだ。デル・ボスケはさっそく「彼は役目を十分果たしている」と答えたが、根拠がないことではない。大会スポンサーであるカストロールが、失ったボールやインターセプトの数など広範なデータと複雑な計算に基づいて選んだ「グループステージ理想のイレブン」の中に、アルベロアの名前があるのだ。

番記者内でも分かれる評価

 番記者の中でも、デル・ボスケさい配への意見は分かれている。『マルカ』紙のロベルト・パロマールは、批判の中にはスポーツ面と無関係なものもあると言う。

「デル・ボスケの批判者には、前監督アラゴネスの追随者が含まれている。彼らは、デル・ボスケがフロレンティーノ・ペレス(レアル・マドリー会長)が申し出た『金の功労賞』の受け取りを拒否したこと、ソルダードを招集しなかったことを根に持っている者たちで、決して批判をやめないだろう」


 ラジオ局カデナ・コペのトマス・グアシュは、デル・ボスケは考えをいくつかあらためるべきで、サッカーにおける議論は互いを高め得る健全なものだと思っている。

「世界王者だから、要求が高いのは当然。今のプレー内容が嫌いだと表明しても何ら問題はない。おれならセルヒオ・ラモスを右サイドバックにして、アルビオルとピケでセンターバックを組ませる。加えて、シャビ・アロンソを外しセスクを入れ、センターFWにはトーレスを置く」


 メンバーをほぼ固定して戦うことは、控え選手をデリケートな状況に追い込んでいる。ビルバオで今季29ゴールをマークしながら、まだウォーミングアップさえしていないジョレンテの頭の中をよぎるものは複雑に違いない。マタも似たようなものだ。ほんの1カ月前、チェルシーの不動のレギュラーとしてビッグイヤーを掲げたばかりなのに、まだ1分も出場していない。ペドロのデビューもまだ。カソルラはアイルランド戦で10分プレーしただけだ。


「全員をプレーさせたくて気が狂いそうだが、簡単ではない。チームとタイトル獲得が最優先事項だ」とデル・ボスケ。シャビ・アロンソはフランス戦が100試合目の出場となる。ラ・ロハで3けたに達しているのは、カシージャス、スビサレッタ、ラウル、シャビ・エルナンデスの4人だけだ。その後を追っているのはトーレスとセルヒオ・ラモス。セルヒオ・ラモスは26歳にして、同じアンダルシア人の大先輩フェルナンド・イエロの89試合を超え、90試合の大台に乗る。

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