石川遼が米国遠征で手にしたチャンスとシード権への重圧
いまひとつ覇気がない? 石川遼の今シーズン
今季の国内ツアーでは10位が最高。賞金ランキングも46位と、いまひとつ結果が出ていない 【写真は共同】
「プエルトリコオープンで2位になってから、遼の頭の中は米ツアーのシード権でいっぱいになってしまい、正直に言って試合に没頭できていないようでした。しかし、あれだけ頑張ってきたのですから、それ以上頑張れと言うのは酷だと思うのです」と言うのは父の勝美氏だ。「あれだけ頑張ってきた」とは、プロ入り以来、石川遼が日本ツアーをけん引し続けてきたという意味で、「そろそろ遼の心の赴くままにさせてあげたい」という親心である。
米ツアーのシード権獲得へ、高いハードルを設定
これを受けて、5月のクラウンプラザ招待から約1カ月、5試合の米ツアー転戦が始まった。その2戦目、ジャック・ニクラウスがホストを務めるザ・メモリアルトーナメントは、これまで何度も出場を打診されていたにもかかわらず、国内ツアー優先という事情もさることながら、試合数制限を考慮すると辞退せざるを得なかった試合だ。
今回の5試合のうち予選通過はたったの2回だったものの、ザ・メモリアルトーナメントでは9位タイという好成績を挙げ、獲得賞金額は78万8271ドルになった。シーズン終了時点で賞金ランク125位に入っているのが米ツアーのシード権の条件で、現時点までに稼いだ金額がそれをクリアしているかどうかは断定できない。ここ数年の125位の獲得金額を見ると、昨年が66万8166ドル、一昨年が78万6977ドル、さらにその前年が66万2683ドルだ。石川は“当確”と言っても間違いない90万ドルとかなり高いハードルを設定してこの5試合を戦っていた。