自己最高タイの5位入賞、復活した可夢偉=F1 プラスの要素がかみ合い3度目のポイント獲得
自己最高タイとなる5位入賞を果たした可夢偉。復調の要因はムジェロテストとフリー走行にあった 【Getty Images】
復調の要因はムジェロテストとフリー走行
シーズンが始まって修正をしたい個所が出てきたとしても、今まではテスト走行ができなかったため、大幅にマシンを復調させていく事は難しかった。特にトップチームほどデータや技術力が豊富ではないザウバーチームにとっては、シーズン中の方向転換は至難の業だ。そのためムジェロ合同テストは、可夢偉とザウバーチームにとって再び流れを呼び込む絶好の機会となったに違いない。
さらに今回、決勝レースで安定した速さを維持できたポイントはもう一つある。それは「フリー走行からの取り組み」だった。
今回の舞台、スペイン・カタルーニャサーキットは中・高速域のコーナーが多く、タイヤに大きな負担を与えるサーキットとして各チームが警戒していた。実際に決勝レースでもほぼ全員がタイヤ交換を3回、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)は4回交換している。
「レース中にどれだけタイヤのパフォーマンスを維持できるのか」。フリー走行からレースを想定したロングラン走行を繰り返し、データを収集。またカタルーニャサーキットとザウバーマシンは相性も良く、プレシーズンテストでもトップタイムを記録している。こういったプラス要素がすべてかみ合い、レースでの快進撃が実現した。
これまで、決勝でのロングラン作戦を選択し続けてきた可夢偉とザウバーチーム。しかし、今年のピレリタイヤを100パーセント使いこなす事ができず、戦略が裏目に出て厳しいレースが続いてしまったが、チームと可夢偉が一貫して取り組んできたことが今回“結果”となって現れた。
次回の第6戦モナコGPは、昨年5位入賞を果たしたモンテカルロ市街地コース。伝統の市街地レースで、調子を取り戻し始めた可夢偉の活躍が楽しみだ。
<了>
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