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体操男子、2大会ぶりの団体金へ 内村ら五輪代表が持つ可能性
男子五輪代表に決まった5人。層の厚さで、団体金メダルを目指す
男子五輪代表に決まった5人。層の厚さで、団体金メダルを目指す【坂本清】

 体操のロンドン五輪代表選手選考会を兼ねたNHK杯が5月4、5日に東京・代々木第一体育館で行われ、既に五輪代表に内定しているエース内村航平(KONAMI)が大会4連覇を達成した。また、男子五輪代表の残り4枠も決まり、田中和仁(徳洲会)、山室光史(KONAMI)、加藤凌平(順大)、田中佑典(KONAMI)が選出された。代表5人が出そろったことで、体操ニッポンはロンドン五輪へ向かってチームとして本格的なスタートを切った。

男子代表5人が決定 げんのよい構成に

 今回、内村を除く4枠の代表選出方法は、団体総合の金メダル獲得を目指して練った戦略をもとに決められたものだった。4月の全日本選手権(東京)2日間とNHK杯2日間、計4日間の総合成績の上位11人に入っていることを前提とし、下記の選考基準が設けられた。


1.ゆかと鉄棒でそれぞれ上位の選手(計2人)

2.個人総合上位選手(1人)

3.1および2の選手を除き、全種目で上位ポイントを獲得した選手(1人)


 こうして決まったのが上記の4人で、1のゆかでは加藤、鉄棒では田中佑、2で田中和、3で山室が選ばれた。内村以外は全員が五輪初出場。最年長は26歳の田中和、最年少は18歳の加藤である。


 立花泰則男子強化本部長はチームのメンバー構成について「5人の年齢バランスを見るとアテネ五輪のときに似ている。あのときも塚原直也(朝日生命)以外は初めての五輪で、大学生の中野大輔がいた。今回も若手とベテランと中堅がうまくミックスされ、勢いがあるだけではなく、精神的にも厚みのあるチームになった」と、げんの良い構成であるという印象を語った。


 また、代表選手が従来の6人から5人になったことでより狭き門になったことにも触れ、「選手たちは大変な重圧を受けながら、自らの力で五輪切符を勝ち取った。これからの合宿でしっかり準備をし、チームジャパンとして、皆でもう一つギアを上げていくことが大切だ。中国に引けを取らない5人。戦いの準備は整った」と手ごたえを口にする。


 五輪ではまずミスをせず、体操ニッポン伝統の美しい演技をすることが前提となるが、最大のライバルである中国をかわし、追ってくる米国を振り切って頂点に立つ可能性は北京五輪よりも大きくなっていると言える。中国との実力差という観点でも、アテネ五輪前よりもむしろ今回の方が小さい。代表枠が6人から5人になったことも、スペシャリストの多い中国に比べ、オールラウンダーの層の厚い日本にとっては追い風だろう。

内村の強みは「プレッシャーを感じたことがない」

絶対エースの内村は「期待してほしい」と、周囲からの重圧を力に変える
絶対エースの内村は「期待してほしい」と、周囲からの重圧を力に変える【坂本清】

 このように、アテネ五輪以来、2大会ぶり7度目の団体総合金メダルをしっかりと射程圏内に入れている日本。その中心に君臨するのが内村だ。


 ロンドン五輪の団体総合予選を想定した演技構成で臨んだNHK杯2日目は、6種目ともほぼノーミスという抜群の安定感を披露。93.300という圧倒的な得点をマークした。ロンドン五輪では団体総合予選、決勝でいずれも全6種目に出場する予定だが、不安材料はまったくない。


「団体に懸ける気持ちは何よりも大きい。個人総合は1人の喜びだけど、チーム5人で取った金メダルはもっとうれしいのではないかと思う。勝負はここからなので、僕がチームを引っ張るという感じで、金メダルを目指して頑張りたい」


 このように話す内村の強みは、重圧との付き合い方が極めてうまいことだ。


「僕はプレッシャーを感じたことがないので、どんどん期待してもらったら倍にして返す。だからもっと期待してほしい。五輪はその雰囲気を一番楽しんだ人が、一番になると思っている。すごく難しいことだけど、5人全員が楽しんで試合ができれば、結果はおのずとついてくると思う」と言う。

矢内由美子
矢内由美子

北海道生まれ。北海道大卒業後にスポーツニッポン新聞社に入社し、五輪、サッカーなどを担当。06年に退社し、以後フリーランスとして活動。Jリーグ浦和レッズオフィシャルメディア『REDS TOMORROW』編集長を務める。近著に『ザック・ジャパンの流儀』(学研新書)

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