砂漠に囲まれたサーキット、厳戒態勢下で開催=F1第4戦バーレーンGP見どころ
問われた開催の是非
砂漠に囲まれたバーレーン・インターナショナル・サーキット。砂で路面がすべりやすい状態に 【写真:ザウバー】
昨季は、開幕前のテストと開幕戦がバーレーンで開催予定となっていた。しかし、アラブ諸国で発生した大規模な反政府運動「アラブの春」によって、バーレーンも騒乱状態に陥り、テストとレースは中止となった。当初は延期という処置が取られ、シーズン終盤に開催されることが決まったものの、治安が回復していないこと、過密日程による負担、そして人道的な理由から開催に対する批判が高まり、結局は中止されることとなった。
今季は4戦目に日程が組まれたが、バーレーンでは今も反政府活動が継続中だと報じられている。そのため、今年もレースを中止にすべきとの意見が高まったものの、主催者側や統括団体FIA(国際自動車連盟)は開催に問題はないと判断し、レース開催を決めた。
反政府派や人権問題の活動家がF1を利用して抗議活動を展開することを表明したとの報道もあるが、すでに現地入りしたメディア関係者によると、都市部は比較的平穏な状態だという。しかし、郊外では抗議集会も行われ、火炎瓶や催涙ガスが使われているとのことだ。また、幹線道路やサーキット周辺では完全武装の軍隊が警備しているほか、警官も増員されており、厳重な警備態勢が敷かれている。
砂とタイヤかすの影響も
長いストレートがあるほか、低速から高速のコーナーまでそろっている。中でも、4本の長いストレートの後には低速コーナーが続いており、レイアウト的には比較的追い抜きがしやすいコースだ。しかし、砂漠に囲まれたサーキットであるため、走行ライン以外は砂で滑りやすくなっていることが多い。また、昨年から導入されたピレリタイヤは、「タイヤかす」と呼ばれる摩耗したタイヤの破片が大量に発生することから、前車を追い抜く際に走行ラインを変えた場合には、その影響も懸念される。