石川遼がマスターズへの過程で得たもの 広がった米ツアー参戦のチャンスと今季のスイング
今年は大きなスイング改造なし 完成度に自信も
マスターズ本番では練習ラウンドの時の安定感を失って良いところなく予選落ちとなった 【写真は共同】
これまで、常に何らかのスイング改造に取り組みつつ石川は試合を戦ってきた。それはマスターズも例外ではなく、マスターズ初挑戦の2009年には、「何もこの時期に改造をしなくてもいいのではないか」との批判さえ受けるほどだった。しかし、今回のマスターズは少々様子が違っていた。「この1年、とりわけ今年に入ってソニーオープンからの3カ月は特別な改造はしていません。ここまでやって来た延長線で臨みます」と言う石川の言葉からも、完成度への自信がうかがえた。
ポイントは左ひざの動き
石川は、昨年後半戦あたりから、ドライバーの安定感に定評があるベ・サンムン(韓国)や武藤俊憲のひざの動きに注目していたが、それを自分のものにしたということであろう。
練習ラウンドでは「十分に戦える」雰囲気もあったが……
「特別枠」という立場。そして日本だけではなく、アジアの代表としてオーガスタナショナルに立つということも石川の心理に微妙な変化を与えていたことは想像に難くない。とは言え、月曜から水曜までの練習を見る限り、ドライバーからパターまで「十分に戦える」(石川)雰囲気はあった。変化があるとすれば、ドライバーの長さを0.5インチ短くし、44.5インチに仕様を変えていたことぐらいだ。
「3番ウッドからの流れからして、このほうがタイミングが合うんです」(石川)という理由でのチェンジで、その通り練習ラウンドではほとんどミスらしいミスもなく、石川も初日を前に「出だしが重要。1番、2番をバーディ、バーディ、もしくはパー、バーディでスタートしたい」と意気込みを語っていたものだ。
だが、いざふたを開けてみると、その信頼していたドライバーが左に曲がり1番はボギー。2番では3パットのボギー。そんなゴルフが立て直せないまま石川のマスターズは予選2日間で終わってしまった。
国内ツアーが12日に開幕 今季は“大暴れ”できるか
前述の女性との婚約を公にして臨む日本ツアー開幕戦が12日からスタートするが、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。今回のようにワールドランキングで苦労しないためにも、国内ツアーでも大暴れする石川遼を見たいものだ。
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