まさかの総崩れ・・・・・・世界の壁に阻まれた日本馬=ドバイWC

JRA-VAN

ドバイWC:昨年3着、地元モンテロッソが会心V

ドバイWCは地元UAEのモンテロッソが制覇。日本馬は惨敗だった 【写真:AP/アフロ】

 2010年に舞台がメイダンに移って以降では最高の顔触れがそろったこのレース。オーストラリアで走っていた時代を含め、芝10F路線のGI・8勝というアイルランド調教馬ソーユーシンク(牡5)が、英国のオッズで2.25倍の1番人気。日本から遠征のスマートファルコン(牡7)が、ダート重賞9連勝中という実績を買われ、単勝7.5倍の2番人気に推された。

 有力馬に先行タイプが多く、展開がカギを握ると言われていたが、そんな中、果敢にハナを切ったのが、日本から参戦した昨年のこのレースの2着馬トランセンド(牡6)だった。だだし、この馬の強さを知り尽くしている他陣営が、楽に行かせてはくれず、1番人気のソーユーシンクや、前哨戦GIマクトゥームチャレンジR3(AW2000m)勝ち馬カポーニらに、終始突かれる厳しい展開となった。

 3コーナーで早くもトランセンドをかわして先頭に立ったのがカポーニ。直線に向いてこれをかわしたのが、前半は中団で競馬をしていた地元UAEのモンテロッソ(牡5)で、抜け出してからさらに加速すると、最終的には後続に3馬身差をつける快勝を演じた。2着カポーニから半馬身遅れの3着が、GIガネー賞(芝2100m)を含めて欧州芝10F路線で重賞3勝の実績を誇るプラントゥール(牡5)で、さらに半馬身遅れた4着がソーユーシンクだった。

 日本勢では、6着に入ったエイシンフラッシュ(牡5)が最先着。スタートのタイミングが合わず、後方からという思わぬ展開となったスマートファルコンは10着。3コーナーで早くも脚をなくしたトランセンドは最下位の13着に敗れている。

 昨年のドバイWCではトランセンドに1/4馬身差及ばぬ3着だったモンテロッソ。その後休養に入り、スーパーサタデー(3月10日)のマクトゥームチャレンジR3で復帰してカポーニの4着に入り、ここへ臨んでいた。

ドバイDF:桁違いの脚! シティスケープ春の注目株に

 例年分厚いメンバー構成となるこのレース。今年も、抜けた馬はいないものの、南半球産馬やアジアからの遠征馬を含めて、多彩な顔触れによる争いとなった。

 英国のオッズで3.0倍の1番人気に推されたのが、昨シーズンの香港年度代表馬で、国際GIクイーンエリザベス2世C(芝2000m)に加えて4つのローカルGIを制しているアンビシャスドラゴン(セン5)。前哨戦のGIジュベルハタ(芝1800m)で、3着と敗れるも印象的な末脚を披露したムタハディー(牡4)が、5.5倍の2番人気に推された。

 典型的な逃げ馬が不在だった中、レースを引っ張ったのは、ロイヤルアスコットのGIIハードウィックS(芝12F)を含め重賞3勝のアイルランド調教馬アウェイトザドーン(牡5)。アンビシャスドラゴンは5〜6番手、ムタハディーは中団よりやや後ろの外目につける競馬となった。

 直線に向くと弾けたのが、前半は3番手にいた英国調教馬シティスケープ(牡6)。1頭だけ桁違いの脚を繰り出して、後続に4馬身1/4の差をつける圧勝を演じた。前走同様に直線で良い脚を見せて追い込んだムタハディーが2着に入っている。

 一方、初めての遠征で本来の力を発揮できず、アンビシャスドラゴンは7着に敗退。日本から参戦のダークシャドウ(牡5)も、中団から自慢の末脚を繰り出すことができず、9着に敗れている。

 2歳シーズンから重賞戦線に顔を出し、5歳シーズンを終えた段階で欧州マイル路線のGIII戦に3勝していたシティスケープ。それ以外にも、ロイヤスアスコットのマイルGIクイーンアンS(芝8F)で3着、昨年暮れのGI香港マイル(芝1600m)で2着となり、マイラーとしての評価が定着していただけに、200m距離が伸びたここで見せた快走は、想定の範囲を超えるものだった。管理するR.チャールトン師は、シティスケープの次走として、香港で行われるGIクイーンエリザベス2世C(芝2000m)を視野に入れていることを明らかにしている。

アルクオーツスプリント:豪州スプリント界のハイレベル証明

 今年からGIに格上げとなったこのレース。世界各地から8頭ものGI勝ち馬が参戦するという、豪華な顔触れによる争いとなった。

 そんな中、英国のオッズで6.5倍の1番人気に推されたのは、2年前のGIナンソープS(芝5F)勝ち馬で、スーパーサタデー(3月10日)に行なわれた前哨戦のメイダンスプリント(芝1000m)2着の英国調教馬ソウルパワー(セン5)。このレースの一昨年の勝ち馬で、2年ぶりにドバイに渡った香港調教馬のジョイアンドファン(セン8)と、オーストラリアから遠征したオルテンシア(牝6)の2頭が、オッズ7.0倍で横並びの2番人気となった。

 ゲートが開くや予想通り、名うての快速馬たちによるスピード比べとなった中、ゴール前は、いずれも前半は後方に控えていた人気馬たちによる争いとなった。

 中でも1頭抜けた脚を使ったのが、スタンド寄りを追い込んだオルテンシアで、ソウルパワーに1馬身1/4差をつける快勝。ソウルパワーから首差の3着が、内ラチ沿いを追い込んだジョイアンドファンだった。

 この路線の水準が高いオーストラリアで、3歳時からトップ戦線で活躍したオルテンシア。昨年11月19日に豪州のアスコット競馬場で行われたGIウィンターボトムS(芝1200m)で、自身4度目の重賞制覇を果たすとともに、GI初制覇を飾ってここへ臨んでいた。

 もっとも、オルテンシアが一昨年11月のGIパティナックファームクラシック(芝1200m)で3着になった時、この馬の6馬身1/4前にいたのがブラックキャヴィア(牝5)だ。デビュー以来19戦19勝という成績で来ているこの馬が、どれだけ速いのか、この夏に予定されているブラックキャヴィアの英国遠征が、ますます楽しみになった。

 日本から参戦のエーシンヴァーゴウ(牝5)は、好位で競馬をしたものの12着に敗れている。

1/2ページ

著者プロフィール

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント