“雨”を味方につけたアロンソが大荒れのGPを制す=F1 可夢偉はマシントラブルで無念のリタイア
トップを守りきり、優勝を飾ったフェルナンド・アロンソ(右から二人目) 【Getty Images】
ウエットコンディションで抜群の速さを見せる
これまでドライコンディションで速さを見せられなかったフェラーリチームとアロンソだったが、大雨を味方につけてトップを独走し、レース後半を迎えた。
怒とうの勢いで迫ってきたペレスにも全く動揺せず
7秒あったリードを2回も追い上げて背後に迫ってくるペレス。普通のドライバーなら、その勢いに圧倒されミスを犯してしまうケースも少なくないが、2度の世界王者を経験しているアロンソは冷静だった。勢いよく攻めてくるペレスに対して、全く動揺せずトップをキープする。逆に優勝争いの経験がないペレスは勝負を焦り、50周目の14コーナーでミスを犯しコースアウト。自らのミスで三度アロンソに逃げられてしまい、勝敗が決した。
開幕前のテストでは不調がうわさされていたフェラーリチーム。前回のオーストラリアGPでも予選でQ3進出を逃すなど、アロンソ自身も厳しいレースを強いられた。しかし、今回のマレーシアでは“雨”という要素を味方につけ、勝負どころでは一気に攻め、逆に劣勢に立たされた時には慌てることなくトップを死守。巧みなレース運びで今季初優勝を手にした。
可夢偉はマシントラブルでリタイアに終わる
関係者と話し込む小林可夢偉。相棒のペレスとは明暗がはっきりと分かれる結果となった 【写真:ザウバー】
途中にファステストラップを記録するなど、インターミディエイトタイヤが温まったレース中盤に速さを見せたが、ブレーキトラブルにより46周でリタイアという結果に終わってしまった。僚友のペレスがアロンソと優勝を争う大活躍を見せただけに、なおさら悔やまれるレースとなったことだろう。フリー走行2回目ではギアボックスに問題が生じ、予選の後にはサスペンションの故障が発覚。そして決勝ではブレーキトラブルとペレスとは対照的にマシントラブルに苦しんだレースとなった。
今回、可夢偉にとっては不完全燃焼の結果となってしまったが、ザウバーのマシンの戦闘力が高いということは証明された。次回の中国GPでは、優勝争いに絡むような奮起に期待したい。
<了>
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