優勝への鍵を握る天候変化の見極め=F1第2戦マレーシアGP見どころ
クルマ本来の実力が分かるサーキット
突然、天候が変わるマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキット。変化に適応できるかが鍵を握る 【写真:ウィリアムズ】
マレーシアGPの舞台となるのは、マレーシアの首都クアラルンプールにあるセパン・インターナショナル・サーキット。開幕戦オーストラリアGPが行われたアルバート・パーク・サーキットとは異なり、低速から高速までさまざまなコーナーがそろっていることから、クルマ本来の実力が分かるサーキットとも言われる。そのため、今季の勢力図がより明確に見えてくることになる。
セパンは、追い抜きが比較的多いサーキットとしても知られている。最も追い抜きのチャンスが高いのは、最終コーナーのヘアピン。また、2つのヘアピンが続く1コーナーから2コーナーにかけても追い抜きのチャンスがある。そして、直角の右コーナーである4コーナーも追い抜きをかける場所となるだろう。
セパンに持ち込まれるドライタイヤのコンパウンドは、最も硬いハードと、それより1段階軟らかいミディアム。高温のセパンに合わせ、耐久性に優れる硬めのタイヤが選択された。決勝では、雨用タイヤを使用しない限り、この両方を少なくとも1回ずつ使用しなければならない。ミディアムはタイヤ側面のロゴが白、ハードはロゴが銀になっているため、ロゴの色を見れば、どちらのタイヤを装着しているのか見分けられる。
暑さがレースに大きく影響、コックピット内の温度は50度超
その中で、最も大きな影響が出ると見られているのはタイヤだ。タイヤサプライヤーのピレリは、路面温度が50度に達すると予想しており、晴れた場合はタイヤへの負担が非常に大きくなる。また、今年のタイヤは全体的に昨年よりも軟らかくなっていることから、タイヤの性能低下によってピットストップの回数が増える可能性もある。
ピレリは、スタート直後やタイヤ交換直後にうまくタイヤをいたわることが、タイヤ戦略の鍵になると予想している。
タイヤのほかにも、F1マシンにはエンジンやギアボックス、電子機器、油圧系統など、熱による影響を受けるパーツが多い。そのため、こういったパーツをうまく冷却することが重要になる。また、コックピット内の温度は50度を超えることもあると言われており、ドライバーにとっては1年の中で最も体力的に厳しいコースとされる。