混戦必至なセンバツを制するのは!? 北海道・東北、北関東に不気味なチームあり

松倉雄太

主将で捕手の田村(写真)や北條を筆頭に高い攻撃力で優勝候補の最右翼と目される光星学院 【写真は共同】

 第84回選抜高校野球大会があす開幕する。先立っての17日と18日には甲子園練習が行われ、32校が甲子園の雰囲気を味わった。
 花巻東・大谷翔平、愛工大名電・濱田達郎、大阪桐蔭・藤浪晋太郎(いずれも3年)といったプロ注目の『高校ビッグ3』など話題性のある大会になりそうだが、戦力的に抜きんでたチームはなく、どれもウイークポイントを抱えているため、混戦模様となりそうだ。

優勝候補筆頭は光星学院…投手力に不安も

 東北大会、明治神宮大会を制した光星学院には、14日に行われた「キャプテントーク」で32校の主将中14人が優勝候補として挙げた。田村龍弘、北條史也(ともに3年)ら、昨夏の甲子園準優勝メンバーが中心になって1試合平均9得点の高い攻撃力を誇る。その反面で、ディフェンスに不安を抱えている。16日の太成学院大高(大阪)戦で城間竜兵(3年)が17奪三振でノーヒットノーランを達成したが、エースナンバーの金沢湧紀(3年)はまだ本調子とは言い難い。初戦が4日目と時間が空くことで、どこまでピークに持っていけるかがカギになりそう。

 神宮準優勝の愛工大名電は光星学院に次ぐ6校の主将が優勝候補に挙げた。エース濱田は18日に行われた近大付属(大阪)との試合で、5回を投げて8奪三振無失点と、調子の良さが伝わる。疲労骨折で神宮を棒にふった佐藤大将主将(3年)も復帰。相手のリズムを崩す多彩な攻撃は、本番で大きな武器になりそうだ。

 近畿王者の智弁学園はエースで3番の青山大紀(3年)が昨秋のケガから復帰。ダブルエースの小野耀平、主将で捕手の中道勝士(ともに3年)ら昨夏の甲子園を経験したメンバーを主体に悲願の全国制覇を目指す。

 藤浪の大阪桐蔭、大谷の花巻東は初日に激突。大塚尚仁、萩原英之、溝脇隼人(いずれも3年)らを擁し投打に充実する九州学院と、145キロ右腕・二階堂誠治の女満別が同じブロックに入る激戦区となった。

 聖光学院のエース岡野祐一郎(3年)は秋の公式戦防御率が0.15で今大会出場の主力投手でトップ。女房役の長井涼(3年)は9試合で許した盗塁がわずかに1個。1番打者の斎藤湧貴(3年)が核弾頭として引っ張る打線は少ないチャンスをものにする術に長けており、上位進出の目玉となりそう。

1/2ページ

著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント