雨が波乱のレースを演出か=F1開幕戦オーストラリアGP見どころ
戦略を惑わす特設コース
公道の中でのレースとなるオーストラリアGP 【写真:ピレリ】
オーストラリアGPが開催されるアルバート・パーク・サーキットは、メルボルンにある公園を周回する公道などを使用した特設コース。レース用サーキットとして常時使用されているわけではないため、レース週末の序盤は路面が汚れており、グリップ力が低い。走行を重ねるごとに路面のグリップが増していくので、クルマをセットアップする際は、予選や決勝での路面状態を予測してセットアップする必要がある。
またアルバート・パークは、追い抜きが見られるサーキットでもある。最も一般的なのは、シケイン状になっている3コーナーから4コーナーにかけての部分だ。しかし、3コーナーで右へ曲がると、すぐに左へ切り返すため、2台が横並びの状態でバトルを繰り広げることも多い。1コーナーで追い抜きが見られることもあるが、3コーナーに比べると、その頻度は少ない。
追い抜き増加のために昨年導入されたDRS(可変リアウイング)は、今年も使用が継続される。昨年のオーストラリアGPでは、決勝でDRSを使用できるDRSゾーンはホームストレートのみだったが、今年は2コーナーから3コーナーにかけてのストレートにもDRSゾーンが設定された。これにより、決勝での追い抜きが昨年よりも増えることが期待される。
注目ドライバーはやはりライコネン
開幕戦で活躍が期待される小林可夢偉 【写真:ザウバー】
昨年に史上最年少でのF1連覇を達成したセバスチャン・ベッテルを擁するレッドブルは、今季もタイトルの最有力候補。しかし、レッドブルはシーズン前テストの最終2日間で大幅な改良を行ったものの、トラブルに見舞われたため十分にデータを集められていない。そのため、特にシーズン序盤は、思わぬ形でレッドブルが足をすくわれる可能性があるかもしれない。
このほか、マクラーレンやメルセデスAMG(旧メルセデスGP)も好調だと言われる一方、フェラーリは開幕前から苦戦を強いられている。今季に向けて考案した新排気システムの開発が難航し、この新システム導入を断念した。フェラーリは巻き返しを狙い、従来のシステムへ切り替えて開発を進めているが、チーム首脳も開幕戦での表彰台争いは不可能だとのコメントを残している。
そして、日本のファンとしては、やはり気になるのが小林可夢偉(ザウバー)。テスト序盤にはトラブルの続いたザウバーだが、2回目のテストでは可夢偉がトップタイムを記録。チームメートのセルジオ・ペレスも、3回目のテストでトップタイムを記録した日があった。決勝のように、多くの周回を一度に走るロングランでの速さは、ザウバーが2番手と分析する海外メディアもある。可夢偉本人も開幕に向けては「任せろ!!」と頼もしいコメントを残している。