勝負の3年目に自信見せる可夢偉、飛躍のシーズンとなるか F1=16日開幕、2012年シーズン展望

田口朋典

元王者ライコネンが復帰

2年ぶりにF1に帰ってきたライコネン、元王者らしい走りを見せることができるのか 【写真:Sutton Motorsport Images/アフロ】

 いよいよ3月16日に開幕を迎える今季のF1世界選手権。オーストラリアのアルバート・パーク・サーキットで全20戦、約8カ月にわたる戦いが始まる。
 DRS(可変リアウイング)、KERS(運動エネルギー回生システム)、そしてピレリタイヤと新しいファイターが目白押しだった昨シーズンは、“若き王者”セバスチャン・ベッテル(レッドブル)の連覇で幕を閉じたが、今季は果たしてどのようなシーズンとなるのだろうか。

 まず注目なのは、ドライバーの顔ぶれが大きく変わったことだ。レッドブル、マクラーレン、フェラーリの3強にメルセデスAMG、ザウバーの5チームは昨年と同じドライバーラインナップを採ったが、残る7チームはドライバーを変更してきた。大きな話題となった2007年王者キミ・ライコネン(ロータス)のカムバックをはじめ、ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)、ロメ・グロジャン(ロータス)らがF1への復帰を果たし、ジャン エリック ・ベルニュ(トロ・ロッソ)、シャルル・ピック(マルシャ)らルーキーも登場する。

マシンレギュレーションの変更で勢力図に異変か

“段付きノーズ”を採用したフェラーリ、美しいとはいえない外見にファンからは不満の声も 【写真:ピレリ】

 そしてもうひとつの注目ポイントとして挙げられるのが、マシンレギュレーションが変更されたことだ。Tボーンクラッシュ(※2台の車両による衝突。「T」の字のように、1台の横にもう1台が頭から突っ込む形のクラッシュ)時のドライバー保護のためにノーズの高さが低く改められたことで、マクラーレンとマルシャを除く全てのチームが“段付きノーズ”を採用。あまり美しいとは言い難いデザインではあるものの、またしても大きな変革が外観から見て取れるシーズンとなる。

 また、それと同時にパフォーマンスに直結するマシントレンドとして一世を風靡(ふうび)したブロウン・ディフューザーが撤廃されたことにより、また新たな空力的なトレンドが生まれそうな気配もある。それらを思えばパドックの勢力図に大きな異変が起こる可能性も充分で、かなり興味深い1年になりそうだ。

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著者プロフィール

1966年生まれ。大学卒業後、趣味で始めたレーシングカートにハマり、気がつけば「レーシングオン」誌を発行していたニューズ出版に転職。隔週刊時代のレーシングオン誌編集部時代にF1、ル・マン、各種ツーリングカーやフォーミュラレースを精力的に取材。2002年からはフリーとなり、国内外の4輪モータースポーツを眺めつつ、現在はレーシングオン誌、オートスポーツ誌、CG誌等に執筆中。自身のブログ“From the Paddock”(スポーツナビ+ブログで)では、モータースポーツ界の裏話などを披露している

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