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尚志、福島に勇気を与える“希望の1点”
大敗にも示し続けたあきらめない姿勢

見えない敵との戦いは今も続いている

失点を喫しても最後まで貫いた攻めの姿勢は、これからも受け継いでいかなければならない
失点を喫しても最後まで貫いた攻めの姿勢は、これからも受け継いでいかなければならない【たかすつとむ】

 結果は1−6の大敗。しかし、最後まで攻めの姿勢を貫いた中で奪った1点は、仲村監督の言葉通り、大きな意味を持つ。

「国立進出を決めたとき、学校に多くの人からFAXやメールで、『感動をありがとう』という声が届きました。これまで選手権に4度出て、そんなことは一度もなかったのに、本当にそういう声を多くいただいた。それは裏を返せば、僕らが福島に勇気と希望を与えられているということ。ならば国立でもそういうメッセージが送れるような戦いがしたかった。1−6というスコアはもちろん絶対忘れたくないし、悔しい。でも、この1点は本当に福島にとって希望の1点になると思う」


 仲村監督は真っすぐに前を向いた。まだまだ状況が変わらない福島県。放射能という見えない敵との戦いはいまだ終息を迎える気配はない。終わっていないからこそ、これからも希望と勇気を持ち続けないといけない。


 尚志イレブンが示したあきらめない姿勢と未来への希望は、これから先も福島県に脈々と受け継がれなければいけないし、尚志高校サッカー部としても受け継いでいかなければならない。国立での1点はある意味、“決意のゴール”でもある。


<了>

安藤隆人

大学卒業後、5年半勤めた銀行を退職して単身上京し、フリーサッカージャーナリストに転身した異色の経歴を持つ。ユース年代に情熱を注ぎ、日本全国、世界各国を旅し、ユース年代の発展に注力する。2012年1月にこれまでのサッカージャーナリスト人生の一つの集大成と言える、『走り続ける才能たち 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)を出版。筆者自身のサッカー人生からスタートし、銀行員時代に夢と現実のはざまに苦しみながらも、そこで出会った高校1年生の本田圭佑、岡崎慎司、香川真司ら才能たちの取材、会話を通じて夢を現実に変えていく過程を書き上げた。13年12月には実話を集めた『高校サッカー 心揺さぶる11の物語』(カンゼン)を発刊。ほかにも『高校サッカー聖地物語 僕らが熱くなれる場所』(講談社)、があり、雑誌では『Number』、サッカー専門誌などに寄稿。2013年5月〜14年5月、週刊少年ジャンプで『蹴ジャン!SHOOT JUMP!』を連載した。

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