クラブワールドカップ（Ｗ杯）に欧州チャンピオンとして出場しているバルセロナのジョゼップ・グアルディオラ監督が１７日、南米王者サントスとの決勝を翌日に控え、横浜市内で記者会見を行った。指揮官は「ほとんどの選手の個人技のレベルが高い」とサントスを警戒しながらも、「相手を想定してうんぬんということではない」といつものように自らのサッカーを貫く姿勢を示した。

――明日の決勝はサントスのどこに注目しているか？

　サントスはブラジルのチームで、ほとんどの選手の個人技のレベルが高いと思う。フィジカルが強く、スピードもある。このチームは３人の選手が突出している。それから、ブラジル人のほかの選手同様、背が高い。両サイド、特に右サイドの選手がいいと思う。

　昨日からビデオで（サントスの）チェックを始めた。サントスはコパ・リベルタドーレスで優勝し、またブラジル国内のタイトルも取ったということで５〜６試合を見た。とてもいいチームだと思う。９２年のサンパウロ（注：トヨタカップ＝当時＝でサンパウロが２−１でバルセロナに勝利。グアルディオラも出場）を思い起こさせるものだった。とてもフィジカルが強かった。よって、自分たちのプレーをしない限り、勝てないと思う。明日の決勝は素晴らしい試合になるに違いない。ライバルはとても強い。とにかく、われわれは体力を回復し、このチャンスを生かしたい。

――クラブＷ杯のタイトルは今年一番重要だという話をしていたが

　このタイトルはなかなか手に入らない。チャンピオンズリーグ（ＣＬ）はもちろん大切だが、クラブＷ杯に何回も参加するのはなかなかできることではない。だから、ぜひともこのタイトルは持って帰りたい。明日はぜひ頑張りたいし、幸運が味方してくれることを願っている。昨夜と今朝、相手の分析をしたが、なかなか手ごわい相手だと思った。タイトルを取るのは難しいと思う。

――９２年のトヨタカップとの違いは何か？　時差ぼけは治ったか？

　自分たちが以前来て、サンパウロと戦った時は、３、４日の滞在だった。今回は７日余りあるので、休息は取れている。だが、夜眠ることがなかなかできない。
　ブラジルのチームに関して言えば、本当に強いチームだと思う。前にブラジルのチームと対戦した時は、とにかく中盤が素晴らしかった。今回もガンソ、ネイマール、ボルジェスはとてもいい選手だ。戦う場合は、中盤でもどこのポジションでも皆が頑張らなければ、簡単に勝てる相手ではない。

――ビジャのけがはどうか？　明日の試合の戦力も変わって来ると思うが

　ダビド（ビジャ）は、スタメンを選ぶ際にはいつもメンバーに入れていた。彼はいつも、われわれが試合に必要なものを提供してくれる。例えば、スペースを見つけたり、ボールを早く回したり、動きも速い。そうした意味で、彼がいなくなったということで難しい状況になる。彼は１４時間もかけて日本にやって来て、骨折をして本国に帰らなければならなくなった。これはつらいことだ。できるだけ早く復活してほしいと思っている。

　ゆうべ、彼と話をした。アルサッドの試合をどうみたかという話、明日の決勝の話、選手たちが頑張っているという話――さまざまな普通の会話だ。（戦線離脱中の）アフェライもビジャいなくて残念に思っている。スタートした時のメンバーがすべてここにいればうれしいのだが、残念に思う。

――選手たちの状況はどうか？　選手間のコミュニケーションは？

　先日の試合（準決勝）から、あまり選手たちと交流していない。わたしはサントスのビデオを見なければならなかったため、食事の際に会話を交わす程度だった。あとはトレーニングも見たが。
　われわれにとって、今回のタイトルはとても重要だ。日本で開催されるこの大会で、（過去にも）ブラジルのチームと対戦した。さきほど以前のブラジルのチームについても触れたが、ペレもいる素晴らしい国だ。とはいえ、明日戦うサントスは別のチームだ。自分たちはできる限りのことをして、勝ちたいと思う。（準決勝の）アルサッド戦でも全力を尽くした。皆がこのタイトルを持ち帰りたいと意志があることが分かる。サントスに関しては、ピッチに入った瞬間に相手が分かると思う。

――アルサッド戦で途中出場ながら、足の違和感で途中交代したアレクシス・サンチェスの状態は？

　今日の練習で様子を見て、明日の状況を見てから判断したい。選手に会っていないからといって、状況を把握していないわけではない。ドクターやスタッフからいろいろと情報は上がって来る。とにかく、明日の試合までに回復するかどうか見たいと思っている。