酒井宏樹「今日は負けたけど幸せな時間だった」=準決勝サントス戦後、柏レイソル選手コメント

スポーツナビ

試合後に握手して健闘をたたえ合う(左から)、柏・澤、酒井、サントス・ネイマール=豊田スタジアム 【共同】

 サッカーのクラブ世界一を決めるクラブワールドカップ(W杯)が14日、愛知・豊田スタジアムで行われ、準決勝で南米王者のサントス(ブラジル)と対戦した開催国代表のJ1王者柏レイソルは1−3で敗れた。前半に2点を先制された柏は後半に酒井宏樹のゴールで1点差に詰め寄ったが、再び突き放された。
 敗れはしたが、酒井の「今日は負けたけど幸せな時間だった」という試合後のコメントにもあるように、柏の選手は一様に手応えをつかんだ様子。世界のレベルを肌で体感したことで得たものも多かったようだ。
 柏は18日に行われる3位決定戦に回る。

酒井宏樹

「今日は負けたけど幸せな時間だった」

 世界のスター選手と戦えて良かった。良い経験になりました。ボールを取れる部分と、取れない部分が勉強になった。前半は監督からあまり上がらないように言われていて、後半は攻撃に関してはうまくできました。ネイマールはファウルでも止めないとダメです。理想は普通に止めることですけど、足元がうまいですから1人では難しかった。クリさん(栗澤)、マス君(増嶋)のサポートでネイマールからボールを取れました。

 0−2というスコアはリーグ戦でも経験していたので、まだやれると思っていました。後半、早く(1点を)取れて良かったです。去年の水戸戦以来のゴールでした。今日は負けたけど幸せな時間でした。こういう経験がもっとできたらいい。サントスの監督が気に入ってくれているというのは聞いていましたし、今日はレイソルで1年間やってきたことが出せたと思います。

北嶋秀朗

「このクラスが僕らの目指す道」

 この大舞台で、こういう相手に対して体と体をぶつけあって感じたことはありますし、それをチームとしても個人としても経験できたことは、僕らとしてはものすごく大きい。このクラスが、僕らが目指す道だなというのを感じた試合でした。いつものレイソルのサッカーはできたと思います。大きなチャンスも作れたと思います。そのチャンスで決めるか決めないか。そこが差。でも、これでは無理だとか、かなわないや、というような差ではなかった。1対1の駆け引きとか、瞬間の速さに違いはありましたけど。

大谷秀和

「ガンソは質が違いすぎた」

 組織というより個々の能力の高さを感じた。今日はチームとして良い入りができた。その意味で、モンテレイとやっていたことで、イメージがしやすかったというか。入りは悪くなかったと思いますけど。(ファウル気味に行った?)きつめにいかないと取れないのでね。自由にやらせないために、というのはいつもと変わりはしないですけどね。特にネイマールとガンソに関しては、ボールを突っつくことすら難しい選手たちだった。いつもよりもっと深く奪いに行かなければならなかったり、激しく行かなければ、奪う前に突っつくことすらできない。自然とそこは厳しく行くようになった。あの2人+ボルジェスに前で仕事をさせたくない気持ちは試合前からありましたし、監督からも1対1というより1対2の状況を作るように話をされていた。

(3人で奪いにいくことも多かった?)タイミングが良ければ。でも、そこでボールを奪えなかったところはうまいな、と思いました。ネイマールはあまり当たらなかったですけど、特にガンソは質が違いすぎた感じはした。左足一本でボールを触っているけど、サイズもあって懐のすごく深いところでキープしているので、彼のところで試合が落ち着いたり、チームとしての起点を作ることも多かった。そこは個人の能力の高さをすごく感じました。

(通用した部分は?)組織としてやれていた部分はあった。特別なことというより、Jリーグで続けてきたことをサントスにぶつける、ということだった。シュートチャンスも作れていますし、ボールを奪ったあとのカウンターとか、酒井からのクロスを出したり、チームとしての特長は出せていましたけど、あとは最後のところの質。ところどころ、埋められない差があるなとは感じました。

近藤直也

「また、サントスとやりたい」

 1点目のところも、2点目のところも、対応しに行こうとはしていた。でも、シュートまでの速さなど、Jリーグにはいないレベルだったと思う。その点で対応が遅れたのかなと。前半でワールドユースのブラジル戦を思い出した。また、サントスとやりたい。3位決定戦でも、サントスとやりたい。休みを挟むのがもったいないくらい。この感じで、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)とかも試合をやっていきたい。休まないと疲れてしまうと思うけど、悔しさしか残っていない。早く試合したいですね。3決では、絶対に3位になります。まさかのバルサを期待して。また良い経験になることを期待して。

澤昌克

「選手全員が自信を持ってやっていた」

 良い試合だった。すごく悔やまれますけど。自分が入る前に3点目を入れられ、より一層難しい試合になりましたけど、チームとしては前半からすごくコンパクトにできた。一瞬の隙で2点を取られましたけど、相手のマークもすごく厳しく入れていたし、球際もみんな気持ちを込めてマイボールにできていた。内容は悪くはなかった。強いチームと戦っていく上で、差が出るのは点を決めるか決めないか。1対3という結果だけ見ると、テレビを見てない人はやっぱり差があるんだな、って思うだろうし。客観的に考えて。自分が実際入ってみれば、普通にできたし、昔向こう(ペルー)でブラジル勢、フラメンゴとやったときより、このチームでやった時のほうが本当にしっかりやれているし、戦っていける感じがあった。チームの中にも、やれるって雰囲気がありました。選手全員が自信を持ってやっていたので、たくましくは見えたんですけど。

点を決め切れなかったのが、本当に痛いですね。相手の7番の球の出所をケアしてくれ、と言われた。ほぼマンツーマン。ポジションチェンジでガンソとかが下りてくるときは、警戒してチェックに行ったりした。そこは自分の判断でやった。球際とか、細かい場面でチームのためにボールをつなぐっていう意味では、悪くはなかったし、あそこのポジションの役割としては、まあまあできたんじゃないかなと思いますけどね。

<了>

取材:鈴木潤
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