ネルシーニョ監督「サントス戦は最善の試合になる」=柏レイソル監督 準々決勝後会見
計画して実行に移してくれる仲間がいるおかげ
ベンチから選手に叫ぶ柏のネルシーニョ監督=豊田スタジアム 【共同】
――前半の最初は酒井宏樹、橋本和のサイドバックの裏を突かれていたが、後半はどのような対策を立てたのか?
立ち上がり、そこに問題があり、後手を踏んだシーンがあった。酒井とワタル(橋本)のマーキングがはっきりしていなかったことが原因だったが、途中もグラウンドの横から声を掛けて指示を出して五分に持っていくことができた。ハーフタイムに修正してからは、思い通りの守備ができて、モンテレイを押し込めて、われわれが試合をコントロールして進められた。相手はカウンター狙いで準備していたが、われわれも攻めている時にはリスク管理していたから、危ないシーンもそんなになく、しのげたと思う。PKだったが、勝ちに値するプレーだったと思う。
――選手交代は我慢したようだが、交代に関してはどう考えていたのか?
酒井は前のゲームでひざをけがして、今日の午前中に最終チェックをして、起用に至った。あの場面は足をつったという情報だったが、倒れていたので痛みがまた出てきたのか、ハッキリと分からなかったため、晃樹(水野)を呼んだ。その後、ドクターからゴーサインが出たので、そのまま酒井で続けた。今日の交代は工藤(壮人)で90分+15分やって、工藤も疲労していたし、相手のディフェンスも疲労が見えていたので、動ける林(陵平)を入れれば相手も嫌だと思ったので、そういう意図があった。
――柏の監督になって成功しているが、その秘けつは? ブラジルのチーム出身のメリットはあるのか?
ここに来て、今の仲間たちと仕事をして2年半になる。改革するための計画を作り、実行してきた。その中で時には冗談を交えながら真剣に話してきたのは、勝つ文化を築く、勝つための準備をすることをスタンダードに持っていくこと。Jリーグのタイトルを取ることで世界大会に出場できるというモチベーションは、ずっとわれわれにあった。そのモチベーションがあったのでタイトルを取れ、選手たちは貴重な経験ができている。メリットは個人ではなく、レイソルというチームにとってメリットだと思う。われわれには計画して実行に移してくれる仲間がいる。そのおかげでここにいると思っている。
愛情があるサントスと真剣に戦って、結果を残したい
われわれにとって、すべてが慣れていない環境で進められているが、特に若い選手は外国のチームと向き合って対戦しているので、非常にまれな経験をしている。しかも次は世界でトップクラスのサントスと戦える。サントスは個人的に能力も高い、しかも優秀な監督のムリシー(ラマーリョ)が率いている。ハイレベルのチームとやるのも、われわれにとって新しいこと。わたしにできるのは映像を見て、取れる情報を選手に伝え、準備すること。選手たちも試合が終わった後、ロッカールームで喜んでいた。ついにあのサントスとやるという雰囲気で、和やかで責任も感じていた。ここで言えることではないが、サントスの個の力とチーム力を分析して、ゲームプランを立てて準備していきたい。
物事には良いことと悪いことがある。われわれは連戦をしているので疲労がないわけではない。その間、サントスは休めている。しっかり準備はできているということはあると思うが、お互いに最善の準備をして、最善の試合になるのは間違いないと思う。
――ここ数日、バルセロナの話を多く聞かれたと思う。ここでもサントスの話が出ているが、素晴らしい選手と戦うことの意味は何か? ブラジルから来た監督にとって、次の試合は何を意味するのか?
レイソルで2年以上かけて、継続しながら来ている。チームとしてこの試合をとらえている。サントスとやるのは特に若い選手にとって良い経験になると思う。もちろんサントスを尊重して迎える。ただ、われわれが2年間続けてきたことを出して、互角に入って勝負しようと思っている。もちろんサントスの個の力を警戒しているが、同時にわれわれのクリエーティブな面を出していかなければいけないと思っている。
――ネルシーニョ監督とサントスとの過去の歴史を教えてほしい
歴史はある。選手として78年から82年までプレーして、その間にタイトルも取った。短い間だが、監督としても一度働いている。そういう意味で愛情があるクラブだが、わたしは今レイソルを率いているので、愛情がある分、サントスと真剣に戦って、結果を残したいと思っている。
<了>
取材:鈴木潤
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