「柏には意地でも頑張ってほしい」=福西崇史氏が語るクラブW杯の展望と意義

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サッカーを通じて世界に頑張っている姿を見せられる

今大会、メッシと並んで注目を集めるサントスのネイマール(左)。ほかにも新たなニューヒーローが誕生するかもしれない 【写真:アフロ】

――前身のトヨタカップからクラブW杯に変わり、今年で7年目を迎えます。クラブW杯の価値は高まっていると思われますか?

 世界が知ってきていると思いますね。(前身の)トヨタカップは南米とヨーロッパがぶつかり合うという大会でしたけど、クラブW杯になってから“世界のサッカー”という意義が大きいと思います。それでこそやる気になって試合をするわけですから、その大陸でのリーグ戦とかカップ戦が盛り上がる。また新たなモチベーションという意味では、世界を動かすモチベーションがこの大会にはあるのではないかと思います。

 個人の売り込みもあるわけで、それで自分の価値を上げるというのもそう。世界が注目しているのは、選手個人もそうだし、チームや監督だって同じ。世界を意識した戦いになると思うので。パト(06年当時インテルナシオナル、現ミラン)だって、「あんな17歳」って言ってたのに、もうあんなになっちゃって。(肩で)リフティングして、「17歳でそんな余裕あるの!?」っていう選手が出てくるわけですよね。そうしたら、みんなはああやって注目できるわけじゃないですか、「あのクラブW杯で出てきた、あの若い選手はもう世界一のクラブでやっている」とか。だから出てくるかもしれないですよ、ネイマール、ガンソ以上の選手が。

――柏の選手にも、個人を売り込むチャンスがあるということですよね

 次のW杯(14年)はブラジル(開催)なわけだから、今までは「ヨーロッパに移籍しよう」という流れが、もしかしたら南米に、という流れになるかもしれないですね。向こうは景気も良いですし、サッカー熱も熱いので、だからこそ僕は行ってほしいですね。

――サッカーファンがこの大会を楽しむために注目すべきポイントはどこでしょう?

(選手)1人ひとり見るのは面白いと思います。あとは大陸ごとのやり方に注目するのも、もちろん面白い。サッカーをしている人は特に、大陸ごとのやり方や大陸間のレベルの差、個人のうまさは見ていると面白い。そういった面白さがこの大会には詰まっている。大陸で勝ち上がってきたチームだし見応えはある。大陸を背負ってきているわけですから意地もあるでしょうし、その意地のぶつかり合いもまた、ひとつの面白さですね。

――クラブW杯を日本で開催する意義というのは大きいですか?

 これは大きいですね。特に日本で開催すると、ファンの方も違った目で見られるじゃないですか。Jリーグを応援してくれている方もそうですけど、応援してきた、見てきたJリーグの優勝クラブがこういう大会で試合をできる。(柏にとっても)日本でできるのはアドバンテージじゃないですか。知っている環境の中でできるので。

――今回は3月に震災があった中で、日本で行われます

 日本にとっても大きいと思うんですよね。世界中の人が「日本に来たくない」とか「大丈夫なのか」と心配している中で、サッカーの、世界中の人が知ってくれる大会を日本でできる。サッカーを通じて日本全体が世界に向けてのいいアピールというか、頑張っている姿を見せられるんじゃないか。そういう意味でも、柏には意地でも頑張ってほしい。日本のチームが勝てるというところを見せてほしい。

<了>

(協力:FIFAクラブワールドカップ事務局)

磐田や日本代表を中心選手として支えた福西氏。現在は解説者として活躍中 【(c)SOMEDAY】

福西崇史

愛媛県新居浜市出身の元プロサッカー選手。現役時代は磐田の中心選手として黄金時代を支え、日本代表としても2度のワールドカップを経験した。その後FC東京、東京Vでもプレーし、現在は解説者として活躍中

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