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ペレ「サントスは優勝できる。重要な選手はそろっている」
FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2011
サントスが48年ぶりにコパ・リベルタドーレスを制し、優勝カップを掲げて喜ぶペレ(左)
サントスが48年ぶりにコパ・リベルタドーレスを制し、優勝カップを掲げて喜ぶペレ(左)【写真:AP/アフロ】

 下馬評はバルセロナが本命、対抗にサントス。クラブワールドカップ(W杯)の優勝予想を問えば、大方の人がこう答えるだろう。だが、“サッカーの王様”がこの意見に簡単に同意するわけにはいかない。なにせ今年は、古巣であり、愛してやまない心のクラブ、サントスが出場するのだ。バルセロナの強さを素直に認めながらも、「サッカーは何が起こるか分からない」と強調する。ペレの願いはもちろん、クラブW杯におけるサントスの初優勝だ。


 ペレ自身は1962年と63年、クラブW杯の前身であるインターコンチネンタルカップで連覇を成し遂げている。今大会はそれ以来、サントスにとって実に48年ぶりの国際舞台である。かつての栄光から半世紀近くが経った今、ペレは3度目の世界一をネイマール、ガンソら将来有望な若者に託す。特に自身の後継者とも認めるネイマールへの期待は高く、「最高の選手」と太鼓判を押す。


 世界最強のバルセロナが相手とはいえ、サントスにも勝つチャンスは十分ある。ペレはそう信じている。「試合はやってみなければ分からない」。王様の言葉は重い。

できるとすればキックオフ時の始球式くらい

――サントスのルイス・アルバロ・デ・オリベイラ会長は、あなたがサントスの一員としてクラブW杯でプレーする可能性を示唆して世界中を仰天させました。その可能性はまだあるのでしょうか?


 わたしは10月23日に71歳の誕生日を迎えたんだよ。この歳でプレーできるとは思えないし、実際にプレーできるコンディションにはない。わたしがピッチでプレーする姿を見たいと願う人々がたくさんいることは理解できるが、残念ながら、できるとすればキックオフ時の始球式くらいだろう。

 それに、決勝戦(18日)の前日に目の手術を受けなければならず、どのような形で大会に参加できるのかがはっきりしていないんだ。もちろん、日本に行って出席したいとは思っているけれどね。


――あなたはクラブW杯の前身にあたるインターコンチネンタルカップに1962年、63年と2度出場し、どちらも勝利を手にしています。サントスが3度目の出場を果たしたことを、どのように受け止めていますか?


 素晴らしいことであり、選手にとってクラブレベルでは最高の成功だ。代表レベルではもちろんW杯がある。ヨーロッパの選手にはユーロ(欧州選手権)があり、クラブレベルではチャンピオンズリーグがある。だが、南米の選手にとって最も重要な大会は常にインターコンチネンタルカップであり、それが今は世界最高のクラブを決める大会、クラブW杯になった。


 この大会の創成期である70年代は、ヨーロッパの選手よりわれわれ南米の選手の方が、ずっとこの大会を重要視していた。今ではその差もなくなり、ヨーロッパのクラブはクラブW杯にベストの状態で臨めるよう、すべての大会を中断してやって来るようになった。それは全大陸のチームが参加するようになったことで、この大会がより大きな注目を集め始めたことを理解したからだ。

ネイマールは最高の選手

――サントスが3度目の優勝を成し遂げる可能性をどう見ていますか?


 サントスが優勝してくれたら本当にうれしい。わたしの魂は常にサントスとともにあるからね。わたしはこのクラブで56年から74年までプレーした。だから、わたしが言わんとしていること、“ペイシェ”(魚の意。サントスの愛称)に対する感情は分かってもらえると思う。クラブが3度目の世界一の座にたどり着くことができたら最高だ。しかも63年、つまり48年も前からこの大会には出場すらできていないんだからね。それは、あまりにも長い歳月だよ。


 とはいえ、大会で何が起こるかは分からない。誰もがサントス対バルセロナの決勝を予想しており、わたし自身もそうなることを願っている。だが、これはサッカーであり、チーム間の実力差は日々縮まっている。君も2010年大会のインテル・デ・ポルトアレグレ(インテルナシオナル)の敗退を覚えているはずだ。誰もがインテル対インテルの決勝についての話題で持ち切りだったというのに、その対戦は実現しなかった。サッカーでは多くのサプライズが起こり得る。何が起こるかは、試合が始まってみなければ分からないんだ。


――ですが、サントスが優勝する可能性はあると思いますか?


 もちろん優勝できるさ。重要な選手はそろっている。ネイマールのことは言うまでもない。彼はわたしにとって最高の選手であり、今年見せた活躍はバロンドール(世界最優秀選手賞)の獲得にふさわしいものだと思っている。

 ほかにも、素晴らしいタレントを備えたガンソがいる。彼はケガから復帰したばかりで、どのようなコンディションで大会を迎えるのかは分からないがね。ダニーロはまだ若いボランチで、この夏にはU−20W杯を制した(※クラブW杯後にFCポルトに加入予定)。この若いチームには4、5人のスター選手が残っている。以前ならヨーロッパのクラブに引き抜かれるのが常だった彼らを、今のサントスは最大限クラブに残せるよう努めているんだ。

セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky
セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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