オルフェーヴル完ぺき三冠制覇! 来年は凱旋門賞へ=菊花賞

スポーツナビ

オルフェーヴルが圧巻の強さで菊花賞を制し史上7頭目の三冠制覇、来年は凱旋門賞だ 【スポーツナビ】

 JRA3歳クラシックの最終戦、第72回GI菊花賞が23日、京都競馬場3000メートル芝で行われ、池添謙一騎乗の1番人気オルフェーヴル(牡3=栗東・池江泰寿厩舎、父ステイゴールド)が優勝。4コーナー先頭から堂々押し切る圧巻の競馬で、GI皐月賞、GI日本ダービーに続く三冠制覇を達成した。良馬場の勝ちタイムは3分2秒8。
 牡馬クラシック三冠制覇は、1941年セントライト、1964年シンザン、1983年ミスターシービー、1984年シンボリルドルフ、1994年ナリタブライアン、2005年ディープインパクトに続く史上7頭目の快挙となった。

 なお、2馬身半差の2着にはダービー、神戸新聞杯に続き安藤勝己騎乗の2番人気ウインバリアシオン(牡3=栗東・松永昌厩舎)が入り、さらに1馬身3/4差の3着には蛯名正義騎乗の3番人気トーセンラー(牡3=栗東・藤原英厩舎)が入った。

三冠プレッシャー克服「自信を持って乗ろう」

伝統の淀、菊の三冠ロードは独り舞台 【スポーツナビ】

 圧巻、壮観の三冠達成だった。他馬は関係ない、とばかりに4コーナーの大外を回り、直線入り口では早くも先頭。「ちょっと早いかな」と池添自身もチラリと思ったそうだがそれも一瞬のこと。「後ろから差されることは考えていなかったので、後ろは気にしないでこの馬の競馬をと思って、前だけを見ていた。4コーナー回るころにはもう大丈夫だと思いましたね」と、言葉どおりの楽勝で三冠達成ロードを独走した。
 かつてのナリタブライアン、ディープインパクトがそうだったように、“オレたちだけを見てくれ!”と言わんばかりの伝統の菊の淀・独り舞台。対前年比127%をマークした6万8千人の大観衆はただ、ただ酔いしれた。

「まずは、無事に三冠を獲ってくれてホッとしています」
 喜びよりも安堵の言葉、池添は偽らざる心境を語った。ダービー以降、日に日にのしかかる三冠へのプレッシャー。秋初戦のトライアル・神戸新聞杯をも圧勝したことで、ますますオルフェーヴルと池添にかけられる期待と重圧は跳ね上がった。
「いやあ、正直、プレッシャーはきつかったですね。朝からずっとソワソワしていましたから(笑)」
 今でこそ冗談交じりに明かすこともできるが、昼休み中に向かいに座る武豊を見かけたとき、「ディープインパクトのときは無敗で来ていましたし、この人はどうやってプレッシャーを克服したんだろうって、改めてすごい人だと思いました」とも。
 それでも池添自身も三冠プレッシャーを克服。「池江先生からは『オルフェーヴルと謙一を信じている』と言っていただけましたし、自分も“自信を持って乗っていこう”と思いました」。

圧巻独り舞台も……最後の落馬はご愛嬌?

池添は右拳を振り上げ大きくガッツポーズ 【スポーツナビ】

 レースは折り合いを第一にゲートを好発進。1周目の下りとスタンド前では「かなりハミを噛んでいた。きつい部分もあった」が、ピンチらしいピンチはこのときだけ。スローペースだった神戸新聞杯ではそれ以上の我慢を覚えさせたことが効果を発揮し、2周目の向こう正面ではハミが抜けるくらいに折り合いもピタリついていた。

「いい感じで来ているなと思いましたね」

 こうなれば、あとは自慢の末脚をいつ爆発させるか、それだけだ。世代最強馬に万全の競馬をされては、他陣営は白旗を上げるしかない。前述したように「4コーナーを回るころにはもう大丈夫。強かったですね」と池添が振り返ったくらいの快勝だった。

 ただ、「最後、流していたんですが、外ラチに飛んで行っちゃって落とされてしまいました」と、馬から落ちてしまったのはご愛嬌。「そこはまだまだヤンチャというか、この馬らしいですね(笑)」という型にはまらない破天荒さもまた、このオルフェーヴルの魅力だろう。

1/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント