いよいよ2011−12シーズン開幕!=bjリーグ 「リスタート」のシーズン、それぞれの新たな船出に注目 

柴田愛子

大混戦のウェスタン、厚みの増した選手層で王座奪還に燃える沖縄

リンク栃木では才能を発揮しきれなかった並里、地元沖縄で新たなスタートを切る 【写真:AZUL/アフロ】

 昨シーズン浜松が首位を独走したイースタンとは違い、ウェスタン・カンファレンスは最後の最後まで大混戦。プレーオフ進出ボーダーラインの6位以内をめぐって、激しい順位争いが繰り広げられた。今季も混戦になるのは間違いないだろう。ビックマンがそろうウェスタンだが、今年はさらに各チームが大型化している。高さとパワーの迫力あるプレーで楽しませてくれそうだ。

 昨季のファイナルでは2年ぶりの王座奪還に挑んだ沖縄だったが、結果は沖縄らしさを出すことなく浜松に14点差をつけられ敗れ去った。今季も主力メンバーは残留。新戦力として浜松2連覇の立役者ジャーフロー・ラーカイが加入し、さらに欧州やアジアリーグでプレー経験のあるレジー・オコーサ、元JBLリンク栃木の並里成を競争入札で獲得。また昨季は練習生だった山内盛久とも正式に契約し、選手層の厚さはリーグ屈指だ。

 注目は新戦力の並里。米国リーグ入りを目指していたが所属先が決まらずbjリーグ入りを希望。将来性が認められ特例措置で競争入札となった。高い能力を評価されてのbjリーグ入りだっただけに、開幕前から注目を集める選手の一人だ。先日、中国の広州市にて行われた「2011ABAマルコポーロカップチャンピオンシップ」では大会ベスト5に選ばれるなど、タレントぞろいの沖縄でも、しっかりと存在感をみせつけた。並里が加わったことで、さらに平面のスピーディーなバスケが面白くなりそうだ。開幕前からプレシーズンゲーム、国際試合などハードスケジュールをこなしてきた沖縄。実戦を数多くこなしていることでチームの完成度も高い。2年前の開幕直後に9連勝した記録を今年は塗り替えることができるだろうか。

新生島根に期待大

 強豪ひしめくウェスタンで今季注目を集めているのが島根だ。昨季チームをけん引した日本代表の石崎巧がドイツ2部リーグに移籍したため、大幅な戦力ダウンかと思われたが、新たに強力な助っ人が加わった。3年連続リーグ得点王のマイケル・パーカー(元福岡)だ。昨季は1年目ながらもウェスタン9チーム中6位と奮闘したが、得点力不足に泣いた島根。それだけに1試合53得点のリーグ記録を持つパーカーは、島根の起爆剤になるには十分な存在といえる。そのずば抜けた得点力で島根に新風を吹きこむだろう。

 しかし、石崎の抜けた穴はそう簡単には埋まらない。チームの柱をなくしたことで、昨季以上に日本人選手の力量が問われることとなる。活動休止の東京アパッチから仲摩純平を獲得したことはプラスポイントだが、強豪ひしめくウェスタンにおいては日本人選手層の薄さが目立つ。特にゲームコントロールを担うポイントガード不足は深刻だ。成長著しい山本エドワードがどれだけチームに貢献できるかが島根躍進のカギを握っている。新生島根がどんなチームへと変貌するのか、ジェリコ・パブリセヴィッチHCのかじ取りにも期待がかかる。

 開幕前に行われたプレスカンファレンスにおいて、各チームの代表選手が今季の注目チームをあげる機会があったが、イースタンでは秋田、仙台、新潟、埼玉、浜松が、ウェスタンでは滋賀、大阪、島根、沖縄の名前が挙がった。プレーオフ常連チームはもちろん、2年目の秋田や島根が注目を集めているのも興味深い。スタープレーヤーや名将の移籍によって大きくチームは変貌する。しかし補強がうまくいったかどうかは開幕してみないとわからない。新天地で彼らがどんな活躍をみせてくれるのかに注目だ。

<了>

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