母国凱旋の可夢偉「鈴鹿に戻ってこれてうれしい」=F1日本GP7日開幕!

田口朋典

母国で上位進出を目指す可夢偉

母国での活躍に期待がかかる可夢偉 【田口朋典】

 気温25度と爽やかな秋晴れの一日となった10月6日、いよいよ明日7日から開幕するF1世界選手権第15戦日本GPを前に、恒例の国際自動車連盟(FIA)主催の木曜プレスカンファレンスが行われた。
 今大会でのタイトル獲得が濃厚のセバスチャン・ベッテル(レッドブル)、新たにマクラーレンとの複数年契約に合意したばかりのジェンソン・バトンらとともに、日本期待の小林可夢偉(ザウバー)も会見に臨んだ。

 タイトルを争うベッテルとバトンの間、前列中央の席に着席した可夢偉は、「まず最初に、やはり鈴鹿に戻って来たということで、とてもうれしく思います。ここはF1でもベストなサーキットのひとつだし、とても楽しみにしていましたが、たくさんのファンの人たちもF1を待っていてくれたわけで、彼らの声援には本当に感謝しています」とコメント。

優勝を争うバトン(前列左)とベッテル(同右)に挟まれ苦笑いの可夢偉 【田口朋典】

 「鈴鹿はよく知っているサーキットでは」との質問には「鈴鹿でのレースは今回がまだ3度目。去年(の日本GP)が2度目だったんです」と笑顔を見せつつ、「今回の日本GPに向け、チームがアップデートを施してくれたのですが、鈴鹿はダウンフォースが非常に重要なサーキット。もしアップデートがうまく効果を発揮してくれれば、僕たちが望んでいるようなリザルトが得られるかもしれませんね」と、明日から始まる母国GPに向けた期待を語った。

チャンピオンがかかるベッテルに気負いなし

年間チャンピオンに王手をかけているベッテル。日本で歓喜の瞬間を迎えられるか 【田口朋典】

 会見ではやはり、この週末でのチャンピオン獲得を狙うベッテルに質問が集中した。

過去2年、日本GPでポール・トゥ・ウインを飾っているベッテルは、「鈴鹿は非常にチャレンジングなサーキットで、特にセクター1はタフだけれど、ここに来れてうれしいし、(レースを)楽しみにしていたよ。ここでは過去2年間、いい結果を残しているし、今年も同様のリザルトを残せればいいね」と余裕のコメント。
 
 あと1ポイント獲得すれば連覇が決まるという状況ながら、「特にレースへのアプローチを変えるつもりはないよ。いつもどおり、僕らのマシン、そして僕たち自身からすべてを引き出して戦うつもりだ」と全力で勝ちを狙うと語ると同時に、「今年この鈴鹿にやってくることは、僕たちにとってとても特別な意味を持つことだった。それは今年日本という国が大きな地震などに見舞われて、多くの人々が難しい状況にある中で、僕たちがベストを尽くしてレースをすることで、F1をサポートして来てくれた日本の人たちに少しでもお返しが出来ればと思っているからね」と、震災からの復興途上にある日本のF1ファンへの心遣いも見せた。

 ベッテルの載冠は見られるのか、そして日本期待の可夢偉は――。いよいよ明日からフリー走行が始まる。コース幅が狭く、抜きづらいコースという声もあった鈴鹿だが、KERS(運動エネルギー回生システム)、DRS(可変リアウイング)、そしてピレリタイヤによって、どのようにレース展開が変化するのか。こちらもまた、今年の新たな注目ポイントとなるだろう。
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著者プロフィール

1966年生まれ。大学卒業後、趣味で始めたレーシングカートにハマり、気がつけば「レーシングオン」誌を発行していたニューズ出版に転職。隔週刊時代のレーシングオン誌編集部時代にF1、ル・マン、各種ツーリングカーやフォーミュラレースを精力的に取材。2002年からはフリーとなり、国内外の4輪モータースポーツを眺めつつ、現在はレーシングオン誌、オートスポーツ誌、CG誌等に執筆中。自身のブログ“From the Paddock”(スポーツナビ+ブログで)では、モータースポーツ界の裏話などを披露している

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