ソフトBが独走でパ連覇!内川が流した涙の理由=鷹詞〜たかことば〜
V2達成ダ!秋山監督「ホッとしています」
優勝を果たし、涙ぐむ内川。打線の核としてチームを引っ張った 【写真は共同】
胴上げ投手はプロ8年目で初体験の馬原孝浩だ。最後のアウトを確信すると、両手を高々と突き上げてガッツポーズだ。馬原を中心に出来た歓喜の輪。そこに秋山幸二監督がゆっくりと歩み寄ると、マウンドと二塁ベースの中間で背番号81の大きな身体が6度宙を舞った。
ナインの表情はみんな晴れやかだった。喜びはもちろん、昨季の覇者でさらに前評判の高かったシーズンを勝ち抜けた安堵(あんど)感が大きかったのだろう。秋山監督もお立ち台での優勝監督インタビューは「まずはホッとしています」が第一声だった。
しかし、その中で一人全く違う表情を見せた選手がいた。今季加入して、史上2人目の両リーグ首位打者が目前の内川聖一である。
打線の核となった内川、「涙が溢れてきて…」
「ベンチに座ったら、あーこれで終わるんだ、優勝できるんだと思ったら涙が溢れてきて……もう止まりませんでした」
内川は、秋山監督と孫正義オーナー以外では川崎宗則と小久保裕紀に続いて最後に胴上げをされた。
「周りのみんなが『ウッチー』『ウチさん』と呼んでくれて、3回胴上げをしてもらいました。自分がいいのかな……という思いもありましたが、本当にうれしかったです」
内川が加わったことで、厚みが増したというよりも核ができたソフトバンク打線。内川が初回に打点を挙げると14勝1敗2分という“神話”も誕生した。そして序盤での得点を守り切るのが今季の勝ちパターンの王道。この日までの80勝のうち、71勝が先発投手の白星。今季から先発転向した攝津正が12勝をマークするなど、先発ローテ陣は見違える活躍を見せた。
日本一まであと2回、ビールかけを
王貞治球団会長が「強い。素晴らしいチームになった」と太鼓判を押せば、主将の小久保裕紀も「99年と00年にも連覇をしたが、今のチーム力の方が上」と胸を張る。
今年のソフトバンクならば、04年のプレーオフ導入以来7度挑戦して突破できなかったCSの壁を越えられるはずだ。
「日本一まであと2回、ビールかけをやろうや」
秋山監督の号令に、若鷹軍団は威勢よく声を上げた。
<了>
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ