東京愚連隊が恩讐を超え再合体=自主興行「東京LOVE2」

高木裕美

MAZADA合流で完全復活した東京愚連隊した 【高木裕美】

 東京愚連隊自主興行「東京LOVE2〜ANOTHER CHANCE〜」が28日、東京・新宿FACEで開催され、満員となる390人を動員した。当初、同大会は4月1日に同所で開催予定であったが、主催メンバーであったNOSAWA論外が2月に事件を起こし、無期限の謹慎となったことで約半年間延期された。

NOSAWAとMAZADAが和解

NOSAWAは「オレたちはヨソもの。こんなオレたちを勇気があるなら使ってみろ!」 【高木裕美】

 メーンイベントでは東京世界ヘビー級選手権試合としてNOSAWA論外と高木三四郎が激突。14年前に共にDDTプロレスリングを旗揚げしたものの、その後、NOSAWAが海外へ行くなどして袂を分かった2人が、長く深い因縁を超えてシングルで対峙した。

 6.25新宿で約4カ月ぶりのリング復帰を果たしたNOSAWAは、足4の字固め、逆片エビ固めなどを駆使した左足攻めからシャイニング論ザードを仕掛けていくが、高木もゆずポンキックで対抗。NOSAWAの顔面キック、高木のシットダウンひまわりボムが繰り出された後、高木が三四郎スタナー3連弾からのHIMAWARI−BOMBで勝利し、NOSAWAの初防衛を阻止して第2代王者に輝いた。

「互いの生き様をぶつける試合」を経て、互いの人生の素晴らしさに気付き、「オレたちはもっともっと上を目指していこう」と切磋琢磨(せっさたくま)を誓った高木に対し、NOSAWAのセコンドについていたFUJITAが「東京愚連隊とユニオンで全面対抗戦をやってもいいんじゃないか」とけしかけると、高木も「てめえら全部、ブッ潰してやる」と呼応。両団体の対抗戦が急浮上した。
また、NOSAWAとの意見の相違から東京愚連隊を離脱していたMAZADAも、リング上からのNOSAWAの訴えを聞き入れ、和解の握手。NOSAWA、MAZADA、FUJITA、KIKUZAWAの4人が再び合体したことから、NOSAWAは「オレたちはヨソもの。アウトサイダー。だけど、こんなオレたちを勇気があるなら使ってみろ!」と逆風は覚悟の上で、今後も自分たちがプロレス界をかき回していくことを宣言した。

みのる「仲良しだからグーで殴り合える」

リングで激しくぶつかりあった4人だが、試合が終わればノーサイド 【高木裕美】

 鈴木みのる、MAZADA組VS高山善廣、FUJITA組によるGURENTAI対決は、お互い手の内を知り尽くした仲間同士、一歩も譲らず、25分以上にわたるバトルを繰り広げた。

 みのる、高山、MAZADAはNOSAWAらと共に、かつて全日本プロレスで「GURENTAI」として共闘。その後、GURENTAIは発展的解消し、MAZADAは一時東京愚連隊を離脱。代わりにNOSAWAの正パートナーを務めたのがFUJITAだった。
 仲間というよりはライバル意識むき出しのMAZADAとFUJITAに触発されたかのように、普段は組む機会が多いみのると高山も真っ向対決。序盤戦で高山が腕ひしぎ逆十字固めを仕掛け、FUJITAとの合体ドロップキックを見舞えば、みのるも15分過ぎにスリーパー、サッカーボールキック、ヘッドバットからゴッチ式パイルドライバーの体勢に入るも、抵抗されて不発に終わる。25分を超え、2人が激しい場外戦を繰り広げる間に、FUJITAがSAYONARAを切り返されながらも、ラリアットからのサスケだましセグウェイで振り切った。

 試合を終え、ノーサイドとなった4人はガッチリと握手。コメントも4人並んで出し、みのるは「オレたちは仲良しこよしだからこそグーで殴り合えるんだ」と深い絆をアピールした。

CIMAがバラモン兄弟と刺激的初体験

CIMA(左)は早くもバラモン兄弟に再戦を要求 【高木裕美】

 DRAGON GATEのオープン・ザ・ツインゲート統一タッグ王者コンビのCIMA、リコシェ組が、バラモンシュウ、バラモンケイのバラモン兄弟と初激突。「BW対バラモン兄弟〜東京大戦争〜第1章」と銘打ち、和田京平レフェリーや観客を巻き込んだハチャメチャバトルを繰り広げた。

 同じウルティモ・ドラゴン校長の教え子でありながらも、まったく違う道を歩んできた両者。バラモン兄弟の要求するハードコアマッチを飲んだCIMAは、兄弟が持参したアイテムや会場内にある道具を使って大暴れ。マネキンの首にロープをつけて振り回して兄弟にぶつけたり、マネキンの腕を投げたり、工事用のコーンを頭にはめて頭突きを見舞ったりとノリノリでファイトする。
 対するバラモン兄弟も、京平レフェリーを「お父さん」と呼んでアゴで使うばかりか、ヘルメットをかぶせて凶器代わりにするなどやりたい放題。だが、シュウの墨汁ミストがケイに誤爆し、リコシェが空中ダイブでシュウを足止めする間に、CIMAがシュバイン、掟破りの逆お告ゲル放出からのメテオラでケイを仕留めた。

 鉄製ボックスへの頭突き攻撃で流血しながらも、「プロレス人生15年で処女を捨てた。会社の人間には怒られると思うけど、今までにない刺激を受けた」と痛みよりも快感全開の初体験に大興奮のCIMAは、戸惑うリコシェを尻目に、早くもバラモン兄弟に再戦を要求した。
■東京愚連隊自主興行「東京LOVE2〜ANOTHER CHANCE〜」
9月28日(水)東京・新宿FACE 観衆:390人(満員)


<東京世界ヘビー級選手権 60分1本勝負>
●NOSAWA論外
(18分09秒 HIMAWARI−BOMB→エビ固め)
○高木三四郎
※初代王者が初防衛に失敗、高木が第2代王者

<時間無制限1本勝負>
鈴木みのる、●MAZADA
(26分05秒 サスケだましセグウェイ→エビ固め)
高山善廣、○FUJITA

<鳥新生〜KO−D大冒険〜 60分1本勝負>
KUDO○
(7分26秒 ダイビングダブルニードロップ→エビ固め)
チキンボーイ

<BW対バラモン兄弟〜東京大戦争〜第1章 45分1本勝負>
○CIMA、リコシェ
(15分40秒 メテオラ→片エビ固め)
バラモンシュウ、●バラモンケイ

<XLAWインターナショナル選手権 30分1本勝負>
○エルサムライ
(6分37秒 チキンウィングアームロック→ギブアップ)
●佐藤光留
※コミッショナー宣言:ハヤブサ。第2代王者が初防衛に成功

<スターダム提供試合スペシャル3WAYマッチ 20分1本勝負>
高橋奈苗
○紫雷イオ
(11分07秒 ドロップキック式セントーン→エビ固め)
●鹿島沙希×

<Shall we Wrestling? 15分1本勝負>
○TAKAみちのく
(9分13秒 逆さ押さえ込み)
●KIKUZAWA
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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