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ラグビー日本代表、NZ戦大敗につながった「メンタルのギャップ」
元日本代表・廣瀬俊朗が解説
日本は次々とボールをつながれ、13トライを許した
日本は次々とボールをつながれ、13トライを許した【写真:ロイター/アフロ】

 ラグビー日本代表は16日、ワールドカップニュージーランド(NZ)大会の予選プールA組第2戦で世界ランク1位の地元・NZと対戦し、7対83で大敗した。この試合について、元日本代表で東芝ブレイブルーパス前主将、廣瀬俊朗選手に話を聞いた。

際立っていたNZの個人スキル 日本はディフェンスを整備できず

――本日の試合を見た印象から教えてください。


 まず、NZの個人スキルの高さが際立っていました。ミスが少ないですし、判断が良くないプレーもあったんですが、落ち着いてボールをキープして攻め続けてきました。

 日本は自分たちができることを一生懸命やったと思います。ただ、ブレークダウン(タックル後のボールの奪い合い)で人数をかけ過ぎました。もっと少人数でボールを出せていたら連続攻撃をもっとつなぐことができて、チャンスも生まれたはずです。そこでボールを出させないNZのプレッシャーもあったと思うんですけど、もう少し効果的にボールをリサイクルしたかったですね。


――フランス戦後に指摘されていたディフェンスについてはどうでしょうか?


 個人の判断で突っ込んでいるので、チームとしてのディフェンスをもっと徹底するべきとフランス戦後に考えていたんですが、今回も個人個人は一生懸命タックルしているものの、相手にパスでつながれてしまいました。

 相手の方が人数が多くて、イチかバチかのタックルに行く場合は仕方ないと思うんですが、後半にあったラインアウトからSHに簡単に抜かれたシーンなどは、約束事を守れていれば問題なかったと思います。


――ディフェンスの約束事を守れない原因は?


 今日に関しては選手のメンタル的な部分に原因があったと思います。前半に簡単にトライを取られたことで、「やっぱり強いな……」と感じている表情をしている選手がいました。何点取られても強い気持ちでプレーを続けている選手もいたんですが、このメンタルの部分でのギャップもNZは見逃してくれませんでした。

攻撃ではまず敵陣に入ってプレッシャーをかけたかった

――良かったところはどこでしょうか?


 NZ相手にも積極的に攻める姿勢は良かったと思います。ただ、個人的にはまず敵陣に入ってチャンスメークしてほしかったです。今の日本とNZの実力を考えると、日本が自陣からボールをつなぐ連続攻撃でトライを取れる確率は低いと思います。なので相手の反則からは敵陣のゴール前にボールをけり込んで、そこから攻める回数を増やしてほしかった。ゴールラインを背にすればNZにもプレッシャーがかかりますから。

 ボールをけらずに素早く仕掛けるのはチャンスの時は良いのですが、NZはディフェンスの整備が早かったので、効果的な攻撃にはつながりませんでした。


――良かった選手は?


 フランス戦に続いてFLリーチは良かったです。すごく献身的に働いてましたし、相手ボールを奪うシーンもあって目立っていましたね。あとはSH日和佐も運動量が最後まで衰えずによく走っていました。


――トンガ戦、カナダ戦に向けてどう戦うべきでしょうか?


 もちろん彼らはそうすると思っていますが、自分たちが今までやってきたことを信じてやるのみです。得点差をつけられて大敗したことで気持ちの切り替えが必要になりますが、試合に出るメンバーも変わりますし、リーダーたちがチームを前向きにして、チームの力をすべて出すような試合をしてほしいと思います。


<了>

廣瀬俊朗/Toshiaki Hirose

廣瀬俊朗
廣瀬俊朗【提供:東芝ブレイブルーパス】

 1981年10月17日生まれ。身長173センチ、体重81キロ。大阪府出身。北野高‐慶応大‐東芝ブレイブルーパス。

 北野高時代に高校日本代表に選ばれ、慶応大では理工学部で学びながらラグビー部主将としてチームを引っ張った。東芝ブレイブルーパスではSO、WTBとしてオールラウンドに活躍し、主将としても抜群のリーダーシップで日本一に導いた。簡単に倒れない体の強さと、しなやかな加速、的確な状況判断で日本代表にも選出。トップリーグ・キャプテン会議の代表も務めている。

構成:スポーツナビ

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

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