「タケフサは、左利きのイニエスタ」=バルサのカンテラに加入した久保君の“インテリジェンス”
修正能力の高さと旺盛な好奇心、コミュニュケーション能力
「建英は修正能力が高いし、何より好奇心が旺盛です。分からないことがあったら聞きに来るし、自分の考えを持っています。これは、お父さんの教育方針によるところが大きいと思います。スペイン語について質問に来たり、一緒にボールを蹴ってくださいと来ることもあります。そこで、『仕事があるから、ちょっと待ってて』と言うと、『わかりました』と言って、弟とボールを蹴っている。だから、弟もすぐにうまくなると思います(笑)」(浜田氏)
考える力、学ぼうとする意識、そして、大人相手にも臆することなくコミュニュケーションをとろうとする姿勢。同年代の子と比べて、久保君はその部分が飛び抜けている。川崎フロンターレU12の一員として、大会に参加した時のことだ(所属はU10ながら、11年5月からはU12の練習に参加していた)。彼がベンチで試合を見ながら、「今、裏のスペースにパスを出せましたよね」といった具合に、監督と意見交換する姿を何度も見かけた。大人と対等に話をすることができ、サッカーについて考える力、探究心がずば抜けている印象を受けた。ただ、ボールを蹴ることだけが上手な選手ではないのだ、と。
彼は一体、どのような選手になるのだろうか。久保君の才能を見初めたオスカル・エルナンデスコーチはこう表現した。「タケフサは左利きのイニエスタだ」。浜田氏はプレーを見ていて、「中盤ではイニエスタのようなプレーができ、ゴール前ではメッシになれる選手だ」と感じている。
まだ10歳の少年であり、将来のことは誰にも分からない。スペインの地では、苛烈な競争が待っている。果たして、彼はトップチームの一員として将来、カンプ・ノウのピッチに立つことができるのだろうか。それが明らかになるのは、早くても6〜8年ほど後になるだろう。ちなみに8年後、リオネル・メッシは32歳、久保建英は18歳である。
<了>
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知のサッカー第2巻 【イースリー】