真琴は大号泣で退団「あとは前に進むだけ」=アイスリボン
アイスリボンを退団する真琴(手前)はさくらえみに対し、すべての思いをぶつける激しい試合となった 【前島康人】
6年間育ててくれたさくらえみと感情をぶつけ合う
「思いがありすぎて……」(真琴)と対角線上に対峙したときから、号泣してしまった2人だったが、試合が始まるとその感情をぶつけるように、逆水平チョップやビンタの応酬となる。さくらの強烈な逆水平に真琴が立ち上がれなくなると、打ち返してこいとさくらが挑発すると、真琴もなんとかチョップを繰り出す。そしてサンセットフリップ、W・W・二―ドロップ、ネックハンキングバスターといつも以上に多彩な技を繰り出すが、さくらはすべて受け切り、SMASHでFUNAKIから伝授されたスピアーさえも、カウント2で返した。すると、さくらはバックドロップ、タイガードライバー、ラ・マヒストラルと大技を繰り出していき、最後はニャンニャンプレスで真琴を仕留め、師匠としての貫禄を見せた。
中学生のりほ(手前)を相手にしたTAJIRIだが、格の違いを見せつけた 【前島康人】
真琴の“引き抜き”に対して怒りを示し、全力でTAJIRIに挑んだりほだったが、「くやしいけど、自分は何もできなかった。でももっともっとプロレスを勉強します」と自分自身のレベルアップを誓う。そして、「TAJIRIさん、心からのお願いです。真琴さんを泣かしてもいいです。でも最後まで、夢をかなえるまでよろしくお願いします」と同期デビューの真琴の夢をかなえることをTAJIRIにお願いした。
また真琴に勝利したさくらえみだったが「選手の夢をかなえられないアイスリボンの無気力さが悲しいです。もっと自分がしっかりしないと」と涙をにじませた。
退団に涙を流す真琴(左)に、TAJIRIは「こういうことが積み重なって、ガチガチになると何も思わなくなるんだよ」とアドバイス 【前島康人】
得意のブロックバスターで“絶対王者”をフォール
高校生・みなみ飛香(左)が“絶対王者”の藤本つかさを攻める 【前島康人】
『後楽園のメーン』という大舞台。真琴の退団で話題が独占されるところだったが、高2の夏休みをすべてプロレスにささげているみなみが輝いた。ここまで7度の防衛に成功し“絶対王者”になっていた藤本は、序盤からサッカーボールキック、ドロップキックとフットサルでならした蹴りで攻めると、逆エビ固めやフェースロックで挑戦者を締めあげる。しかしみなみもはりきりキックやカナディアンロッキーバスターなどで応戦。途中、藤本がビーナスシュート、延髄斬り、ツカドーラなどを繰り出し、フィニッシュに持ち込むが、みなみはすべてカウント2でよけきると、藤本のビーナスシュートを受け止めて1発目のブロックバスター。すかさずトップロープにかけ上り、ダイビングボディープレスを決め、ここは藤本に返されたが、すぐに2発目のブロックバスターホールドを決めると、これは返せずに新王者の誕生となった。
第12代王者となったみなみは、「自分が先頭に立っていく」とエース宣言! 【前島康人】
また「自分が先頭に立って、あっちへこっちへと発信していきたい。プロレス界だけじゃなくて、世界に羽ばたけという感じです」と、アイスリボンをもっと広く伝えていきたいと意気込んだ。
一方、敗れた藤本は防衛記録が途絶えたことに悔しさをにじませたが、「チャンピオンじゃなくてもアイスリボンを引っ張っていきたい。ひかりさんが“絶対王者”になった時に挑戦したい」と、王者奪還は常に狙っていくと話す。また、「12月、メーンを狙います」と年末に予定されている後楽園大会でも、再びメーンに立つことを誓った。