“鉄人”小橋が577日ぶりに復帰 完全復活を誓う=ノア

高木裕美

“鉄人”小橋建太が577日ぶりに復帰! 【高木裕美】

 24日のプロレスリング・ノア大阪府立体育会館大会では満員となる4800人を動員。メーンイベントでは“鉄人”小橋建太が右ひじ部管症候群・右尺骨神経隔離手術ならびに右ひざ関節遊離体切除を乗り越え、2009年12月23日以来、577日ぶりに復帰。GHCヘビー級王者の潮崎豪と組んで、秋山準、齋藤彰俊組と対戦した。

 これまで何度も選手生命の危機に追い込まれながらも、そのたびに奇跡の復活を果たしてきた鉄人・小橋。06年6月には腎臓癌がんが発見され、腎臓摘出手術・治療を経て07年12.2日本武道館大会で546日ぶりとなるリング復帰を果たし、日本中に感動を呼んだ。

チョップの快音に満員4800人からどよめき

マシンガンチョップも健在だ 【高木裕美】

「GRANDSWORD」が鳴り響き、観客の「小橋」コールが出迎える中、小橋は黒いガウンのフードをかぶって入場。リング上では今年の「グローバル・タッグリーグ戦」で優勝した“ノア最強”のタッグチームである秋山と齋藤、そしてGHCヘビー級にベルトを巻いたまな弟子の潮崎が待ち構える。

 先発はまな弟子に譲ったものの、いざタッチを受けると齋藤に強烈な逆水平チョップを叩き込み、その快音に客席からどよめきが起こる。5分過ぎにはライバルであり盟友でもある秋山と対峙し、逆水平チョップ、ヒザ蹴り、かわず掛けを繰り出すが、直後に秋山組につかまってしまい、鉄柱ラリアット、ワキ固めなど、5分近くにわたるローンバトルで徹底的に右腕を攻められる。

 だが、秋山をブレーンバスターで投げ自力で窮地を切り抜けると、潮崎のアシストを受け、齋藤にマシンガンチョップ、ローリング袈裟斬りチョップ、ネックブリーカー、ハーフネルソンスープレックスを炸裂。秋山にも雪崩式ブレーンバスターを決めるが、ムーンサルトプレスはコーナーに上がる前につかまって出せず。剛腕ラリアットも秋山に頭を下げてかわされ、直後にエクスプロイダー、ジャンピングニー、変形スターネスダストという猛攻を受けて3カウントを許した。

「試合に出続けたい気持ちはある。もう一度やり直し」

「だまだダメ」と自らにダメ出しをするも今後も試合出場を続けながらの完全復活を誓った 【高木裕美】

 敗れてもなおリングに注がれる大「小橋」コールに四方へ礼をして応えた小橋は、観客の声援をしっかりと受け止めながら花道を引き揚げると、ファンから受け取った花束を掲げて両手を挙げた。

 バックステージでは潮崎とガッチリと握手をかわしたものの、開口一番飛び出したのは「リングに帰ってこれて嬉しいけど、まだまだダメ。自分が思っている程できなかった」という反省コメント。「みんなの期待以上にできなくてショックを受けた」と決して満足のいく内容ではなかったことを明かし、「もう一度自分を作り直して、一からやらなきゃダメ」とストイックにダメ出しをするも、小橋の復帰を誰よりも待ちわびていた潮崎は「試合勘はこれからつかんでいけると思う」と、まずはリングに戻ってきたことを祝福した上で、小橋のやられても立ち向かっていく姿にライバルとしてジェラシーを燃やした。

 チャンピオンとなったまな弟子に「メーンイベンターとしてベルトを巻く価値がある。光って見えた。眩しかった」とその成長に目を細めた小橋は、「ブランクがあるとダメージもあるけど、試合に出続けたい気持ちはある。一歩ずつ進めて、もう一度やり直し」と、今後も試合出場を続けながらの完全復活を目指すことを誓った。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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