将来はミスター!? “天然系強打者”中島裕之の素顔

構成:スポーツナビ

開幕戦でダルビッシュから3ラン。西武を引っ張る中島の素顔とは? 【写真は共同】

 3年ぶりの王座奪回を狙う埼玉西武の中心にいるのが中島裕之だ。プロ11年目の28歳は、開幕戦でダルビッシュ有から3ランを放った。あの長嶋茂雄氏の理論を直感で理解し、単身でプエルトリコ旅行に出かけるなど、“天然系”な部分を持つ中島の素顔を、公私ともに親交が深いプロ野球解説者の大塚光二氏に語ってもらった。

4打数無安打でも「絶好調」?究極のポジティブタイプ

――中島選手との交流が始まったのはいつからですか?

「中島がルーキーで入ってきた時に、僕も現役だったのでキャッチボールの相手をしていました。ボーっとしていて、やわらかな印象の子やな、と思いましたね。そこで『同郷(兵庫出身)だな』と話をして、練習の仕方を教えながら仲良くなったという感じです」

――中島選手の特徴は?

「究極のポジティブタイプです。絶対に下を向かない。『打てなかったらどうしよう……』とは考えないタイプで、割り切りができます。前の日に打てなくても、気にせず当日の練習と試合に集中できる、そういう部分があるからプロで伸びたんだと思います。

 いつ聞いても『絶好調です』と言うんですが、前日の試合を調べると4打数無安打とかね。2軍時代からそうでしたよ。(松井)稼頭央が抜けて、同じポジションで重圧もあったと思うんですけど、すんなり入れた。チームが必要とした時に、中島がいたという運も持っていると思います」

純粋に野球が好き 野球漫画の主人公のような選手

――打撃では5年連続で打率3割をマークしています。

 長距離も打てますけど、追い込まれたらライト前に軽く落とすようなバッティングもできます。短距離打者の考え方に近いですね。キヨ(清原和博)がライト前ばかり打ったら『なんだよ』とファンの方から言われたと思います。でも、中島は何を言われても気にしないんです。

 この考え方が中島を「スランプの少ない選手」にしていると思います。気持ちの切り替えができるから、早いカウントでフルスイングもできるし、追い込まれたら軽打もできる。『右打者なのにレフトへの本塁打が少ない』という意見があることを伝えたら、『ライトでも本塁打は本塁打ですよね』と笑っていました。

――開幕戦ではダルビッシュから本塁打を放ちました。

「ライトへ素直に打てる良さが出ましたね。ライト方向へ流し打とうとは思わず、来た球を素直に打っただけだと思います。打席で配球を読んでいる感じはないですね。失敗を考えず、今を一生懸命やればいいという考え方なので。

 本当に野球が大好きなんですよ。ダルビッシュのようなすごい投手が相手だと集中力が高まる部分はあると思います。純粋に野球が好きで、勝負が好き。野球漫画の主人公のような選手ですね」

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