ユース年代最高峰のリーグ戦が開幕=高円宮杯U−18プレミアリーグ イーストプレビュー
大きな改革とともに開幕した2011プレミアリーグ
タレントがそろい“豊作の年”といわれる札幌U−18 【平野貴也】
その垣根を取り払おうと誕生したのがプリンスリーグU−18であり、各地域のプリンスリーグを勝ち抜いたチームが“全国大会”としてしのぎを削るのが、高円宮杯全日本ユースサッカー選手権(U−18)大会だった。
そして今回、8年間続いたこの図式を変革し、プリンスリーグの上にさらにグレードの高いリーグ戦を設けようと誕生したのが、高円宮杯U−18サッカーリーグ2011プレミアリーグだ。これは2010年のプリンスリーグで各地域で割り振られた出場枠の順位を満たした計20チームが東西10チームずつに分かれ、ホーム&アウエー方式の通年のリーグ戦を行うユース年代最高峰の長期リーグ。これまでは約1カ月のトーナメント方式だったが、リーグ戦として1年間を通じて試合を行い、より個性的でレベルの高い相手と切磋琢磨することで、ユース年代全体の力の底上げを図る。
なおプリンスリーグは、プレミアリーグのひとつ下のグレードのリーグとして、従来通りの方式で行う。次年度のプレミアリーグ参入が各チームの目標となる。
プリンスリーグが誕生した時と同じ、大きな変革。すでに4月9、10日の開幕戦を皮切りにプレミアリーグは開幕した。ここではこのプレミアリーグをより楽しく見るために、東西に分けて、注目チーム、注目選手をピックアップしていこう。今回はイーストのチームを紹介する。
注目は豊作の札幌U−18と高体連の雄・流経大柏、安定感のあるFC東京U−18
札幌U−18は多くのタレントが次々と現れている。特に今年のチームは“豊作の年”と呼ばれるほど昨年のレギュラーの大半が残り、個性的な選手がスタメンに名を連ねている。中心になるのが、U−17日本代表のMF神田夢実、荒野拓馬、深井一希、FW榊翔太。この4人が軸となり、MF前貴之や攻撃的サイドバックの堀米悠斗らが絡む攻撃は迫力十分。さらに長身FW下田康太ら攻撃陣に多くの才能を抱えているのが強みだ。守備では、DF小山内貴哉、奈良竜樹が中心になるが、東京Vユースとの開幕戦では2点のリードを奪いながら追いつかれ、ドローに終わった。守備面での若干の不安をどう改善していくかが、今後のポイントとなりそうだ。
流通経済大柏は昨年のメンバーでU−18日本代表にも選出されているFW宮本拓弥を中心に、MF菅谷大樹、DF田上大地らががっちりと脇を固める。昨年のエースで、今は名古屋グランパスで出場機会を得ている吉田眞紀人が「あいつらはしっかりと戦える力を持っている」と太鼓判を押すように、総合力の高さはJユースにもまったく引けをとらない。
FC東京U−18はセンターラインがしっかりしているのが強みだ。高い対人能力とボール奪取能力で展開力が光る橋本拳人、正確なパスと運動量でプレーエリアの広い野沢英之のダブルボランチは、今年のチームの核となる。彼らのゲームメークからサイドアタッカーの岩木慎也、FW岩田拓也らがゴールを狙う。倉又寿雄監督は毎年、全員がハードワークできるチームに仕上げてくるだけに、今年も波の少ない安定感抜群のサッカーを見せてくれるはずだ。