TAJIRIが語る12.24SMASH『ハプニングEve’』完全ガイド

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SMASH「ハプニングEve'」直前、TAJIRIプロデューサーの全試合解説! 【(C)SMASH】

 今年3月に旗揚げしたSMASHの2010年ラストを飾る12.24『ハプニングEve’』(東京・新宿FACE)がいよいよ目前に迫ってきた。今回は、プロレス部門のプロデューサーを務めるTAJIRI選手に『ハプニングEve’』の各試合見どころを語ってもらった。

■お祭り騒ぎと思って見過ごすと本編に支障がでるかも

TAJIRI「今回の『ハプニングEve’』に関して、ボクも最初はスピンオフイベントと言ってましたけど、真琴選手のアピールだったり、ボクが余計なことを言って華名との遺恨を生んでしまったり、あとは朱里がメインを任されたりとか、気が付いたら本編の続きと言ってもいいぐらい濃いものになってきましたね。だから、これを単なるお祭り騒ぎのクスマスイベントだと思って見逃してしまうと来年以降の本編を見る際に支障が出てしまう恐れがあるんじゃないか、そのぐらいのイベントになりそうです。ということで、さっそく各試合の見どころを語っていきましょう」

朱里っていう子は別格の潜在能力を持っている

メーンで対戦する朱里(左)と米山。シングルでは初激突となる2人がどんな戦いを見せるか? 【神谷繁美】

<メーンイベント:朱里 vs. 米山香織>

TAJIRI「前回『SMASH.11』での試合から、米山選手は自分のスタイルを築いているというか何か新しいものを生み出して身に着けているような、そういう印象をボクは感じたんですよ。正直にすごいなと思ったんですよね。一方の朱里なんですけど、ボクと普段話しているときなんかは使っている言葉は幼稚なんですけど、彼女が持ってくる言葉の隅にあるスケールの大きさみたいなのがひしひしと伝わってくるんですよね。だけど、やっぱり朱里はまだ経験が足りない。その手助けを米山選手がしてくれたらいいなとは思うんですけど、その反面、そういう才能の持ち主からちょっと引き出してみるとドバドバッと才能があふれ出てくる可能性があって、そうなると米山選手が逆に食われてしまう可能性もあるわけですよ。負けちゃうかもしれない。それぐらい朱里っていう子は別格の潜在能力を持っていると思うんですよね。
 いままで世界でいろんな光景をボクは目にしているんですけど、キャリア1、2年の人がたった1日でキャリア10年の人をくつがえしてしまうことっていうのが実際にあるんですよ。そういう才能を持った人というのが、朱里にもそういうものを感じるんですよね。で、もしこの試合がタイトルマッチになったとして話を進めていきますが、朱里は長与千種さんのようなダイナミックな生き方が自分の中で究極の目標であると言ってたんですけど、実際に彼女も初めてチャンピオンベルトを手にすることができたら、きっと何か感じるものがあると思うんですよ。それもまた彼女の人生の中でいいスパイスとして加味されてくると思うので。
 そして、この一年間で一番成長した朱里が、今年最後の試合を締めるという、これはボクも全然アリだと思うので、それがベルト奪取という結果になれば最高の形でこの一年間を締めくくることができるんじゃないなと思います。だから、米山選手には申し訳ないけど、ボクは朱里にぜひベルトを獲ってもらいたいですね」

試合の中でちょっとでも“やっぱりダメか”と思ったときには……

<セミファイナル:TAJIRI vs. 華名>

TAJIRI「華名は最近丸くなってしまったような気がするんですよ。例えるなら、元レディースが結婚をして家庭に入ったことで幸せになって、トゲだったりキバが抜き取られたような、そんな感じですよね。そんな中でボクが、『もはや華名は賞味期限切れの女かもしれない』と発言したんですけど、ご存知の通り先日の会見でああいうことになってしまったと(笑)。でも、これによって以前の華名が戻ってきたような、そんな兆しが見えてきたと思います。
 ここからは、ボクが華名に負けることは絶対にないと確信した前提で話しますが、もしもボクとの試合でやっぱり華名は『賞味期限切れの女』であったとすれば、SMASHでの華名の役目はもう終わったことになるんじゃないかなと。やっぱり華名はブーイングを浴びてなんぼ、人から心底憎まれてなんぼのレスラーだとボクは思うんですよ。まあ、こんなことを言ったら『余計なお世話じゃ、ボケ!』って、また怒られちゃうかもしれませんけどね(ニヤリ)。だけど、試合の中でちょっとでも『やっぱりダメか』と思ったときには、一気に試合を終わらせようとボクは思っています。いろんな意味で」

真琴選手の一言からドラマとしての味付けが加わった

<第6試合:KUSHIDA、都宮ちい、みなみ飛香 vs. 木高イサミ、真琴、児玉ユースケ>

TAJIRI「なんだかいつの間にか真琴選手がボクの中でだんだん主役になってきているんですよね。そういう意味で、この試合は真琴選手が正義のヒロインで、KUSHIDAはそこに現れて邪魔をする悪者みたいな感じにファンには見えるんじゃないかなと。最初はなんてことのない6人タッグマッチだったのが、真琴選手がボクと闘いたいと言った一言から、この試合にドラマとしての味付けが加わったと思うんですよ。
 そうすると、単なるミックスドマッチじゃなくなってくるんですよね、プロレスっていうのは。だから、もしかすると真琴選手のプロレスキャリアの中でも重要な試合になるんじゃないかなと。いまの真琴選手の勢いならそういう予感をさせてくれますよね」

二人が遭遇したその後の展開も楽しみ

<第5試合:ハードコアマッチ AKIRA vs. KAORU>

TAJIRI「こんなにキャリアの長い二人が初めて遭遇する。そして、AKIRAさんにとっては初めてのハードコアでの闘い。第0試合の流れから含めても、これはAKIRAさんのプロレス人生にとってひとつの事件となる日になるんじゃないかなと。あと、KAORUさんはハードコアにかけてはエキスパートじゃないですか。そういうKAORUさんのエキスパート力が性別を超えてどれくらい通用するのか。つまり経験と技術は絶対的な体力をくつがえすことができるのかっていうことですよね。
 逆に、AKIRAさんはこの試合をいい形で消化することができたら、またさらに面白いAKIRAさんになってしまうような気がします。例えば、AKIRAさんがラダーの上からムササビプレスをやって勝ったりしたら、たぶんAKIRAさんはクセになってハードコアの道に入っていくような、そんな予感がボクの中でするんですよ。だから、2人が遭遇したその後の展開も楽しみですね」

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