アンディ・サワー、運命のいたずら ペトロシアン欠場でIT’S SHOWTIME緊急参戦
トビー・イマダに惜しくも判定で敗れS−cup4度目制覇を逃したサワー(右) 【t.SAKUMA】
02年5月11日、アンディ・サワーは世界トーナメントとしては第一回大会となる「K−1 WORLD MAX2002」にオランダ代表として出場する予定だった。だが、ケガのため日本行きをキャンセル。アンディの代打として出場を果たしたアルバート・クラウスが初優勝を果たしている。
チャンスを逃したサワーは、その2カ月後にワールドシュートボクシング主催の「S−cup2002」に初来日。弱冠19歳で全く無名の存在だったが、無類の強さを見せつけて優勝した。
欧州でもキャリアを積み重ねるサワー
チョークスリーパーで日菜太を秒殺し実力を見せつけたサワー(上) 【t.SAKUMA】
それもそのはずS−cupでは通算3度、「K−1 WORLD MAX」では通算2度優勝を果たしている。70キロ級戦線で、これだけの実績を残している選手を私は知らない。いまやサワーの活動の拠点は日本といっても過言ではないが、オランダやヨーロッパでのファイトを忘れたわけではない。09年大みそか、魔裟斗の引退試合を務めた1カ月後には隻眼ファイターのファディル・シャバリと激突。判定勝ちを収めている。
09年5月には「IT’S SHOWTIME」のアムステルダムアリーナ大会にも参戦。「IT’S SHOWTIME」にレギュラー参戦中のシャヒッドを判定で下している。さらに、同年3月にはイタリアでジョルジオ・ペトロシアンと初めて拳を交わしている。つまりサワーは日本だけではなく、ヨーロッパでもキャリアを積み重ねていることになる。
前述のシャバリ戦で負傷したため、その後は9月の日菜太戦までブランクが空いたが、07年は9試合、06年は10試合も闘っている。いずれも2カ月に1試合以上のハイペースだ。トーナメントが含まれているとはいえ、日本の一線級でサワーほど試合数が多い選手はいない。
ペトロシアンの代打で急遽参戦
白眉はボディアッパー。対戦相手が顔面を攻撃されることを想定している時に打ち込むボディパンチほど効果的な一打はない。ここ数年はカウンターのテクニックも上がってきたといわれている。
そんなサワーが12月11日、「IT’S SHOWTIME」のギリシャ大会に急きょ参戦することが決定した。今年の「K−1 WORLD MAX」で史上初の2年連続優勝を達成したジョルジオ・ペトロシアンが拳を負傷したため、その代打としてパジョンスック・スーパープロサムイと対戦することになったのだ。
パジョンスックは今年5月のアムステルダムアリーナ決戦で佐藤嘉洋を判定で撃破しているムエタイ戦士。その後内蔵破裂で重体説が流れていた時期もあったが、不屈の闘志でカムバックを果たした。今年10月のK−1韓国大会にも出場している。
それにしても、代打を送られて人生を大きく変えた男が、今度は代打としてアテネのリングに上がるなんてドラマチックとしかいいようがない。うがった見方かもしれないが、この一戦はサワーにとってターニングポイントになるのではないか。
(テキスト:布施鋼治/J SPORTS IT’S SHOWTIME解説者)
■最強打撃格闘技「IT’S SHOWTIME」
12月12日(日)日本時間深夜3:00 ギリシャ・アテネ
<IT’S SHOWTIME 61キロ級世界王座戦>
[王者]セルジオ・ヴィールセン
[挑戦者]山本真弘
<出場選手>
パジョンスック・スーパープロサムイ
アンディ・サワー ほか
■番組情報
「〜最強打撃格闘技〜IT’S SHOWTIME 2010・12・11 アテネ大会(ギリシャ)」
12月12日(日)21:30〜23:30 J sports ESPNにて放送。
<再放送>
12月15日(水)24:00〜26:00 J sports 2
12月18日(土)16:00〜18:00 J sports ESPN
12月31日(近)15:00〜17:00 J sports ESPN
スペシャルゲスト解説:魔裟斗
解説:布施鋼治
実況:矢野武
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