小島、真壁から至宝奪取! 挑戦者に中邑指名=新日本プロレス

高木裕美

棚橋がエース対決に辛勝

棚橋(写真上)が内藤(手前)を破り、エースの座を保持! 【前島康人】

“新日本のエース”棚橋弘至は、20分近くに及ぶ熱戦の末に後輩の内藤哲也に辛勝した。
 昨年はプロレ大賞MVPに輝く活躍を見せた棚橋だが、今年はケガなどもあり、タイトル戦線にもほとんど絡めず。その大きな一因となったのが春の「NEW JAPAN CUP」での内藤戦だった。NJC2回戦で内藤に敗れた棚橋は、夏のG1公式戦でも30分で決着をつけられず時間切れ引き分けに。やっとの思いで決勝進出を果たすも小島に敗れて優勝をさらわれ、はがゆい思いを引きずっていた。

「NO LIMIT」としてのタッグ活動よりも、最近はシングルプレーヤーとして急激な追い上げを見せている内藤は、先輩相手にまったくおくすることなく伸び伸びとしたファイトを展開。リングや場外へ逃げて挑発してみせたり、場外で鉄柵を使ったヒザ攻めを見せたりと、互いの弱点であるヒザを狙った攻防となる中、内藤のスターダストプレスをかわした棚橋が一気に勝負をかけ、低空ミサイルキック、ヒザへのハイフライフローからテキサスクローバーホールドで紙一重の勝利をもぎ取った。

 セコンドの肩を借りて引き揚げた棚橋は「このヒザと一生付き合っていくつもりだから」とヒザへのダメージもすべて受け止めた上で、「まだ時代は渡さないよ。エースは力強くあってこそエース、頼りがいがあってこそエースだから」と、今後もエースとして輝き続けることを誓った。

後藤が次期IWGP王座挑戦へ

後藤(手前)は同期対決となった中邑(奥)を撃破し、IWGP王座へ前進した 【前島康人】

 後藤洋央紀vs.中邑真輔の同期対決は、今年のG1公式戦に続き後藤が勝利を収めた。
 08年に「G1初出場初優勝」という偉業を達成しながらも、中邑が史上最年少で到達したIWGPという頂にいまだ駆け上がることができないでいる後藤は、その思いをこの一戦にすべて凝縮。前回のG1でのフィニッシュとなった足極めエビ固めは返されたものの、中邑の執拗(しつよう)なまでのヒザ蹴りの連続に耐え抜くと、後頭部への一撃は食らいながらも、それ以後は必殺技であるボマイェを徹底的にブロック。反則技の顔面ナックルパンチにもひるむことなく、昇天・改で勝利した。

 事実上のIWGP王座次期挑戦者決定戦ともいえる戦いを制した後藤は「次はベルトしかない」と、「IWGPに一番近い男」というポジションを猛烈アピール。菅林社長も認めたことから、12月の大阪大会での小島のIWGP王座挑戦が決定的となった。

永田、金本がノア勢に完勝

金本(右上)はGHCjrタッグのベルトを持ち、青木(右下)を挑発 【前島康人】

 永田裕志、金本浩二組vs.プロレスリング・ノアの潮崎豪、青木篤志組による団体対抗戦では、新日本勢に軍配が上がった。

 金本は8.22ノア・有明コロシアム大会でタイガーマスクと共にGHCジュニアタッグ王座を獲得。その6日後に行われたノア後楽園大会で初防衛に成功するも、直後にKENTAと青木が合体し、次期挑戦者として名乗りを上げていた。

 潮崎が逆水平チョップ、青木が関節技といった得意の攻めで新日本勢を苦しめるも、永田が各種キックで立ちはだかれば、金本は顔面ウォッシュを炸裂。永田が右ハイキック、高角度のバックドロップホールドで青木を粉砕し、ホームリングで勝利を飾った。

 試合後、ノアの至宝であるGHCジュニアタッグ王座を手に青木を挑発してきた金本や永田に対し、潮崎は悔しさをにじませながら「何回でもやってやる」と今後も対抗戦継続を訴えた。

<了>

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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