アルゼンチン代表監督決定までのカウントダウン
ビラルドのリストに入るのは?
アルゼンチン代表次期監督選定の鍵を握ると言われるGMのビラルド(右) 【写真:AP/アフロ】
実際、AFA理事会によって任命された委員会のメンバーは、10月末までに監督を決定する役割を担っている。テクニカルスタッフの中でバティスタとともに唯一、W杯後も代表チームに残っているゼネラル・マネジャー(GM)のカルロス・ビラルドが候補に挙げる数人のうち(3、4人だと思われる)、1人に絞らなければならない。
新監督として取りざたされている候補の中で、ビラルドの趣向と合いそうな人物は2人いる。現在、アペルトゥーラ(前期リーグ)で首位を走り、2009年のコパ・リベルタドーレスを制したエストゥディアンテスの現監督、アレハンドロ・サベージャだ。
もう1人は、ラシン・クラブの現監督ミゲル・アンヘル・ルッソ。ボカ・ジュニアーズを率い、07年のコパ・リベルタドーレス優勝を果たした。両者とも80年代に選手として、アルゼンチン代表監督だったビラルドのもとでプレーしており、GMもよく知る存在だ。ビラルドは代表チームを1986年のW杯・メキシコ大会で優勝、90年イタリア大会ではファイナリストに導いている。
最後の大物、ビアンチ
ビアンチはべレスとボカを指揮して計7度の国内リーグ優勝、4度のコパ・リベルタドーレス制覇を果たし、トヨタカップ(現クラブW杯)でも3度の栄冠に輝いている(3度のうち2度はミラン、1度はレアル・マドリーに勝利)。他国から見れば、そのように成功した監督が、なぜ代表チームを一度も率いたことがないのか理解に苦しむことだろう。ビアンチならば、ほかの監督ではまとめるのがほぼ不可能なグループを1つにすることができるだろうと言われている。
実際、投票権を持つ委員会のメンバーであるべレスとボカの代表者は、自らの票を決めているに違いない。ラヌースの代表者も追随しそうだ。だが、問題もある。ビアンチは考え方の違いからAFA会長のフリオ・グロンドーナと距離を置いており、98年W杯・フランス大会後に受けた監督就任のオファーも断っている。何が起きていたかと言えば、ビアンチは既にボカと話がついており、そこからクラブの黄金時代が始まったのだ。