ラファエル・ナダル独占インタビュー「僕は勝つことが好きだ」=テニス

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10月4日開幕の楽天ジャパンオープンで初来日するナダル。インタビューでは、家族のこと、選手としての転機などを語った 【画像提供:WOWOW】

 10月4日開幕の「楽天ジャパンオープンテニス」で、初来日を果たすラファエル・ナダル(スペイン)。現在世界ランキング1位、さらに先日の全米オープンで、男子選手として史上7人目の「生涯グランドスラム」(四大大会全制覇)を達成するなど、24歳にしてすでに歴史に名を残すプレーヤーの一人となった。史上3人目の若さで偉業を達成したナダルを支えてきた経験、プロ選手としての考え方、家族、故郷との関係とは――。彼の魅力を解き明かしたい。

故郷と家族

――マジョルカ島にずっと住んでいる理由は何ですか?

 いろいろな所に行ったけれど、マジョルカほど気に入った所はほかにないよ。マジョルカから出て行くことは1度も考えたことはないね。

――マジョルカの特に良い点は何ですか?

 マジョルカはほかの大都市と違って静かな場所だけど、大都市と同じことができるんだ。スキー以外は何でもできる。それと、気候が素晴らしいから、野外でいろいろなことを楽しめる。僕は太陽が大好きなんだけど、ここでは1年のほとんどの間、太陽が出ているんだ。

――あなたにとって家族とは何ですか?

 僕の家族は絆(きずな)が強くて、家族でいろいろなことをやってきた。両親とはもちろんだけど、妹とも仲が良いし、叔父叔母や祖父母とも素晴らしい関係さ。家族はそれぞれ違った存在だけど、僕にとって誰もがとても大切な存在だ。

叔父の指導

――コーチで叔父のトニーは、あなたにとってどのような存在ですか?

 まず、叔父が重要な存在だというのは明らかだ。もし、叔父がいなかったら、おそらく今この場で、僕はテニス選手、ラファエル・ナダルとしてインタビューを受けていないだろう。まず、そのことを感謝しなければならない。叔父は僕をこのような選手に育てることや、僕にいろいろと教えることにずっと専念してくれた。教育の面でもテニスの面でも、叔父がいなかったらなし得なかったので感謝している。コーチを替えようと考えたことはないね。

――あなたは両手を同じように使えますが、どの時点で左手を使おうと決めたのですか?

 テニスやサッカーなどのスポーツでは左利き、日常生活では右利きだよ。テニスを始めた時は両手を使っていた。バックハンドを打つ時もドライブを打つ時もね。まだ3歳だったから、十分な力がなかったので、トニーにそう教えられた。その後、9歳か10歳のころに片方の手を使うようにしたけど、その時から自然に左手を使うようになった。

――プロの選手になれると思ったのは何歳ぐらいですか?

 子どものころからずっと、テニスの練習をしていればプロになれる、自分の人生はテニス(に懸けるもの)だと思っていた。

――子どものころ、あこがれていたテニス選手はいますか?

 (自分と同じ)マジョルカ島出身のカルロス・モヤだね。彼は友人でもあるけどね。それから、子どものころ、サンプラスとアガシのいろいろな決勝戦を見たのを覚えているよ。

――これからテニスを始める子どもたちに勧める練習はありますか?

 僕のアドバイスは、テニスを好きになって楽しんでほしいということ。たくさん練習をしなければならないからね。どんなに才能があっても、一流になるにはたくさん練習をする必要がある。好きになれずに、きつい練習に耐えられないなら、単にスポーツを楽しむだけの方がいい。プロの選手はそのスポーツを好きになってプレーすることを楽しめなきゃならない。お勧めの練習はないよ。一流になるにはいろいろな方法があり、僕がやった方法だけではない。ソデルリング、ベルディヒ、フェデラー、マレー、ジョコビッチにはそれぞれ別の方法があると思う。一流になるにはいろいろな道がある。

ターニングポイント

史上3番目の若さで生涯グランドスラムを達成。その勢いはとどまるところを知らない 【Getty Images】

――これまでの選手生活で、ターニングポイントとなった大きな試合はありますか?

 2004年の年末に運良く、(国別対抗戦の)デビスカップ決勝の対米国戦の代表メンバーに選ばれた。その戦いで勝ったのが自分にとって特別な試合の1つだ。その年は、当時世界ランキング1位だったフェデラーにもツアーで勝っていたけど、僕にとって初めての大きな試合は、このデビスカップ決勝のロディック戦だね。

――05年から、あなたは急成長をしましたね?

 05年はシーズン最初からほぼ順調だったよ。ドーハとオークランドの大会では良いプレーができなかったけど、中南米では調子が良くなって、ブラジル・オープンとアカプルコの大会では優勝した。そして、マスターズ1000シリーズのマイアミ大会の決勝でフェデラーと対戦した。その時、僕は2セットを先に取っていて勝てたはずだった。でもフェデラーはすごいパフォーマンスで盛り返し、僕はそれに対抗できずに負けた。しかし、そこから僕は大きく飛躍したんだ。その後、モンテカルロ大会で優勝し、それが初のマスターズ1000シリーズでの優勝だった。バルセロナとローマの大会でも勝ち、全仏オープンでも優勝した。あの時点で、すべてのコートでワンランクアップしたと思う。特にクレーコートでね。その年の夏には(クレーで行われる)スウェーデンやシュツットガルトの大会でも優勝したし、その後のモントリオール大会では初めてハードコートで優勝して、さらに躍進を遂げたと思う。

――自分に自信がついたのはいつごろからですか?

 最終的に、自分はどんなコートでも戦える選手だと自信を持ったのは07年、ウィンブルドンの決勝に進出できた時だね。組み合わせに恵まれなかったにもかかわらず、決勝まで勝ち上がれたのは、大きな自信になったよ。実際、翌年の北京五輪でも優勝したし、09年には全豪オープンでも勝った。一歩ずつ階段を上がってきたけれど、運が良いことに、かなり速いスピードだったね。もちろん途中、厳しい時期もあったけどね。

――厳しい状況に立たされた時、モチベーションを上げる方法はありますか?

 コートの中でという意味なら、勝ちたいと思うことだね。僕は勝つことが好きだ。でも、勝ち負けを超えた部分で、良いプレーをしたいと思っている。良いプレーをするために必要なのは、最後まで戦うという気持ちだ。

<了>

WOWOW番組情報

<<ラファエル・ナダル、ドキュメンタリー>>
 テニス界の頂点を極めたナダルを本格的に追ったドキュメンタリー番組、「ノンフィクションW 太陽の男 ラファエル・ナダル 〜No.1テニスプレーヤーの原点〜」をWOWOWで放送! 独占インタビューも。

放送日時 2010年9月27日(月)夜10:00 HV

<<楽天ジャパンオープンテニス>>
世界ナンバーワンのナダルが初来日! 錦織圭も2年ぶりの参戦へ!!

放送日時 2010年10月4日(月)〜10月10日(日)連日生中継 (※デジタル193ch、決勝はHV5.1)
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