初代タイガー不覚……藤原組長が完全復活で好アシスト=リアルジャパン

スポーツナビ

藤原組長(左)が初参戦、昭和のレジェンド6人勢ぞろいに後楽園は大熱狂 【スポーツナビ】

 初代タイガーマスク率いるリアルジャパンプロレスの東京・後楽園ホール大会が8日に開催された。藤原喜明が待望のリアルジャパン初参戦で注目を集めたメーンは、初代タイガー、藤波辰爾、グラン浜田組vs.藤原組長、長州力、天龍源一郎組のビッグマッチが実現。昭和の黄金時代を彩ったレジェンドレスラーが一堂に集結し、観戦に訪れた俳優の保阪尚希さんら満員の観衆1637名で膨れ上がった聖地・後楽園を熱狂の渦に巻き込んだ。

 セミファイナルのレジェンド選手権では5度の王座防衛を誇るアレクサンダー大塚がついに陥落。殊勲の奪取を果たした長井満也は「これからもビッシビシ行くぞ!」と魔界倶楽部時代の名フレーズで新チャンピオンをアピールした。
 また、第4試合ではスーパータイガーが“師匠”鈴木みのるの叱咤とアシストのもと、なんと同じ釜の飯を食った仲である先輩スーパー・ライダーのマスクを剥ぐ暴挙。後味の悪さは残るものの、非情に徹したファイトで先輩超えを果たし、成長のあとを見せつけた。

虎、脱帽「藤原組長があんなに復活してるとは……」

藤原組長(右)の完全復活に初代タイガー(左)の計算が狂った? 【スポーツナビ】

 タイガー、長州らひとりひとりの入場で早くもボルテージが最高潮に達する中、試合は「相手チームに対して言うことじゃないけど、いつもの天龍さんじゃなかった」と藤波が試合後に振り返ったように、ミスタープロレスにいつもの凄みが感じられない。そこを逃さずタイガーが厳しいローキックを連発させると、浜田、藤波も後に続き、天龍の左足に集中砲火。ローンバトルは5分以上にもおよび、天龍がひたすら左足攻めに展開となってしまう。
 痺れを切らした組長と長州がカットに入ったところで、天龍がようやく生還。代わった組長が得意の一本足ヘッドバット、長州も伝家の宝刀リキラリアットを早くも抜刀し、今度はタイガーが一斉攻撃を浴びる大ピンチに。一度は両軍入り乱れての場外乱闘となったが、再びリング上にはタイガーが上がると、長州が2発目のリキラリアットを発射。組長もヘッドバット、張り手をこれでもかと叩き込み、めった打ちのタイガーはもはや青息吐息の千鳥足だ。
 ここで復活した天龍に組長が気合のタッチを交わすと、天龍も左足の踏ん張りが利かないながらも渾身のラリアットを炸裂させてタイガーから3カウント。序盤で大ピンチとなりながらも、少ないチャンスで一気に畳み掛けた組長・長州・天龍組が大逆転勝利を収めた。

 まさかの敗戦となったタイガーは、何十発も頭突きを食らった脳天を押さえながら、「藤原組長があんなに復活してるとは……」とぐったり。2008年12月の「昭和プロレス」でシングル対決したときは藤原組長が胃がんの手術から復帰したばかりだったが、あれから約2年が経ち、完全復活を遂げていた組長に脱帽の様子だった。

新王者・長井が誓う「ビッシビシ行くぞ!」

「ビッシビシ行くぞ!」長井(上)が気迫の王座奪取 【スポーツナビ】

 セミファイナルのレジェンド選手権では、長井満也がアレクサンダー大塚を撃破しシングルタイトルを初戴冠した。

 長井は序盤、強烈なミドルキックで流れをつかみかけたが、アレクもスパインバスターからのジャイアントスイング、ミサイルキックと立て続けてに攻め立て、5度王座を防衛した貫禄を見せつけていく。
 長井もブレーンバスターを切り返してのジャーマンなどで必死の反撃を試みるが、渾身のハイキックをかわされるとそのままお返しのジャーマンのエジキにあうなどチャンスをつかめない。
 しかし、アレクの技をことごとくカウント2ではね返す気合を見せると、キック、張り手の打ち合いをついに制し、アレクが片ヒザをついたところで、一点突破の陸牙(ヒザ蹴り)を直撃。この魂の一撃でついにアレクを陥落させ、新チャンピオンの座をもぎ取った。

 「これまでアジアタッグくらいしかタイトルが獲ったことがなかったから、こういうものには縁がないと思っていた。うれしいような、不思議な感じです」
 試合後の控え室前で、コワモテの長井が表情を崩して照れ笑い。自分は挑戦者を選ぶ立場じゃないとして、誰の挑戦でも受けるスタンスで行くことを明言すると、目指す王者像として「チャンピオンになってもオレらしく、“ビッシビシ行くぞ!”」と元魔界倶楽部らしく決めゼリフを使った。
 この往年の名フレーズを使用したのは、星野勘太郎総裁への思いも込められている。
 「星野総裁も今は病気で倒れられて、表にはまだ出られていません。一緒に魔界倶楽部で活動していた頃は、いつも試合前に『ビッシビシ行ってこい!』って言ってもらっていました。だから、今度は自分がビッシビシやっているところを見てもらって、また星野総裁に黒スーツで試合前に登場してもらえるくらいに回復されるまで防衛していきたい」
 そうコメントし、人差し指を突き刺すポーズで長期政権を誓った。

Sタイガーが非情マスク剥ぎで先輩ライダー超え

Sタイガー(右)がライダーのマスクを剥ぐ非情ファイト 【スポーツナビ】

 第4試合ではスーパータイガーが、“師匠”鈴木みのるのアシストを受けて非情ファイトを展開。先輩スーパーライダーのマスクを剥ぎ、必殺の竜巻蹴りで「脱皮」をアピールしてみせた。

 スーパータイガーは修行のためこの1年間、リアルジャパンではみのるとタッグを結成。数々の痛烈なダメ出しを食らい続けながらも、6.17後楽園大会で長井から白星を挙げ、ようやく合格点を与えられた。
 もちろん、これで「卒業」となるわけではなく、みのるから新たに出された指令が「次、リアルジャパンで苦楽をともにした人間をお前の手でやっつけろ」。その苦楽をともにした人間というのが、スーパー・ライダーだった。

 試合は先発を買って出たスーパー・タイガーがバチバチの蹴りあい、張り合いでいきなりの猛攻を仕掛けるが、ライダーも真っ向から反撃すると、むしろ打ち勝ったのは体格に劣るライダーの方。みのるからは「何やってんだ! もっとやれ!」とゲキが飛ぶ。
 場外大乱闘を挟みながら、みのるが要所要所でアシストに入り、ついにはライダーのマスクにまで手をかけると、和田良覚レフェリーとみのるがひと悶着を起こしている間に、タイガーがマスクを完全に剥ぐ暴挙。最初は素顔を覆い隠していたライダーだったが、突如としてブチ切れたライダーは素顔のまま怒りのライダーキックで応戦するが、最後はスーパー・タイガーが竜巻蹴りを完ぺきにヒットさせ、3カウントを叩いた。

 試合後もライダーのマスクを高く掲げてアピールしたスーパー・タイガー。これまでにない非情さで新たな一面を見せつけた。
■初代タイガーマスク リアルジャパンプロレス「STRONG PROOF〜強さの証明〜」
9月8日(水)東京・後楽園ホール 観衆:1637人(満員)

<メーンイベント 6人タッグマッチ 60分1本勝負>
●初代タイガーマスク(RJPW)、藤波辰爾(ドラディション)、グラン浜田(フリー)
(12分19秒 ラリアット→体固め)
藤原喜明(藤原組)、長州力(リキプロ)、○天龍源一郎(天龍PROJECT)

<セミファイナル レジェンド選手権 60分1本勝負>
[王者]●アレクサンダー大塚(AO/DC)
(12分32秒 陸牙→体固め)
[挑戦者]○長井満也(ドラディション)
※大塚が6度目の防衛に失敗、長井が新王者に

<第四試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
鈴木みのる(パンクラスMISSION)、○スーパー・タイガー(RJPW)
(17分21秒 竜巻蹴り→片エビ固め)
ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)、●スーパー・ライダー(RJPW) 

<第三試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
○ウルティモ・ドラゴン(闘龍門MEXICO)、石川雄規(バトラーツ)
(11分9秒 アサイDDT→エビ固め)
折原昌夫(メビウス)、●ブラック・シャドー(RJPW)

<第二試合 シングルマッチ IJ(インターナショナルジュニアヘビー級選手権試合60分1本勝負>
[王者]○タイガー・シャーク(RJPW)
(13分12秒 ダイビングヘッドバット→エビ固め)
[挑戦者]●佐藤光留(パンクラスMISSION)
※王者シャークが5度目の防衛に成功

<第一試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
○山本裕次郎(チーム太田章)、間下隼人(RJPW)
(10分36秒 裏アキレス腱固め)
三州ツバ吉(バンプマン)、●斎藤彰文(RJPW)
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント