中大・澤村らドラフト候補がひしめく戦国時代=東都大学秋季リーグ見どころ
注目の中大 澤村頼みの現状を打破できるか!?
最も注目を浴びるのは中大だ。澤村は先月31日の早大との交流試合で2回無失点、154キロをマーク。約1カ月ぶりの実戦とは思えぬ快投を見せた。右わき腹痛で全日本を辞退。申し訳ない気持ちで中大のグラウンドへ帰ったという。待っていたのは、温かく迎えてくれた高橋善正監督やチームメートだった。「自分のことのように心配してくれる人もいた。恩返しじゃないですけど、チームのためにも秋のリーグ戦を充実させなければいけない」(澤村)。
しかし、調整不足は否めないだろう。さらに澤村以外の投手陣が、優勝候補の東洋大に比べて未知数だ。春は澤村がリーグトップの66イニングに登板。フル回転状態だった。3位という数字にも表れているように、澤村頼みの現状を打破しないとVロードは険しい。“2枚看板”のもう1人、149キロ右腕・山崎雄飛投手(4年=芝浦工大付高)が復活すれば面白いのだが……。
連覇へ戦力充実の東洋大 復活望む国学大・埜口
野手も春の首位打者・木村篤史外野手(4年=愛工大名電高)、佐藤貴穂(たかのり)捕手(4年=春日部共栄高)など、打率ベスト10に4人が入った。総合力は6チーム中トップで間違いない。頂点へ向け、視界は良好。春は唯一中大に勝ち点を落としており、特に気合がみなぎっている。
国学大には、復活が待ち遠しい投手がいる。昨年秋に6勝を挙げた埜口卓哉投手(4年=つくば秀英高)だ。春は故障で登板がなく、ほとんど話題に上らなかった。だが、実力は確か。184センチ、83キロの右腕から最速149キロをマーク。大型のサイドスローとして、もちろんプロのリストにも残ったままだ。
そして忘れてならないのが、主将・渡邉貴美男内野手(4年=文星芸大付高)である。入学当初からレギュラー。チームメートが「あれはまねできない」という、底抜けに明るいキャラクターと視野の広さが光る。その人間性は、10社以上の社会人野球チームからオファーが来たほどだ。また、8月に就任したばかりの鳥山泰孝監督は国学大で9年間コーチを務めていた。突然の監督交代だったが、チームの雰囲気はいい。
次世代の東都を担う甲子園優勝コンビ
東浜は、澤村が同リーグ内で「投げ合っていて一番楽しい相手」で、東浜も澤村のことを特別な存在と意識している。チームは2季連続の2位。いずれも開幕戦で勝ち点を落としたのが原因だ。今秋も第2週スタート。ここで波に乗れれば8季ぶりの優勝も見えてくる。東浜も最初の国士大戦で弾みをつけ、翌週の中大戦を迎えたい。
青学大は福島の奮闘で1シーズンで1部復帰を果たした。福島は2部で6勝、入れ替え戦でも2勝を挙げた。1部の試合は1年秋に経験済みだが、リリーフが主だった。主戦で投げるのは今シーズンが初めて。開幕戦で澤村と対決することが予想され、どんなピッチングを見せるのか楽しみ。
国士大は、1部復帰2シーズン目。今春はぎりぎりの残留だった。勝ち点数で立正大を上回ったが、勝率2割5分(3勝9敗)は最下位。まずはAクラス入りを目指したい。左スリークオーターの樋口裕史投手(4年=埼玉・富士見高)は12試合中11試合に登板。リーグ内では異色のタイプで、大きく変化するスライダー、シュートが持ち味。課題の安定感を見せられるかがポイントだ。
<了>
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