シーズン終盤に強いロッテ、戦力充実で優勝狙う

千葉ロッテマリーンズ

復帰後3連勝でチームに勢いを与えた唐川

復帰後3連勝の唐川。21歳の右腕がチームに勢いを与えた 【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

 8月12日の北海道日本ハム戦、唐川侑己はいきなり1死満塁のピンチを迎えていた。この絶体絶命の場面で糸井嘉男、二岡智宏を2者連続三振に仕留めて初回を抑えると、6回2失点の好投で試合をつくり、3カ月ぶりの1軍復帰登板を白星で飾った。

「ケガをしている間はたくさんの励ましの言葉をもらい、そのおかげで心が折れずに、一生懸命治すことに専念できました」
 投手陣の柱として期待されながらも、右手中指骨折で戦列を離れていた唐川は、試合後のヒーローインタビューでファンへの感謝の言葉を口にした。
 復帰後の唐川は3連勝で、8月26日にはチームを83日ぶりの首位に導く活躍。1日に右ひじの張りで登録を抹消されたが、優勝争いがし烈になる今月下旬にはキーマンになるだろう。

ベテラン・小野が新セットアッパーとして復活

「本当に僕でいいんですか?」
 この日のもう一人のヒーローはお立ち台で笑いながら恐縮していた。8回に4番手として登板した小野晋吾。開幕時は唐川とともに先発ローテーションの一角を担った男が、度重なるケガから復帰を果たしていた。背中の張りを訴え2軍で調整していた小野は8月10日に1軍再登録。ここで、西村徳文監督から与えられたのは勝負所でのセットアッパーだった。3連投となったこの日も8回を無失点に抑え、守護神・小林宏につなぐ役割を果たした。

「とにかく一球一球大事に、魂を込めて投げています。『打たれるか』という気持ちで投げています」
 開幕から3連勝を果たしたものの、4月にでん部を負傷、復帰戦となった5月25日の阪神戦で打球を右肩に受け戦列を離れた。不運が続いたシーズンだが、35歳のベテランは頼れる新セットアッパーとして、マウンドに戻ってきた。

ルーキー・清田やベテラン・福浦が活躍

 優勝争いに向けて態勢を整えているのは投手陣だけではない。26日、唐川とともに首位返り咲きの立役者となったのは、決勝の犠牲フライを放った24歳のルーキー・清田育宏と、浅い当たりをもろともせず、こん身の走塁で生還した26歳の岡田幸文。若い力が躍動している。

 さらにリーグ3位の得点圏打率3割8分8厘(9月1日時点)を誇る今江敏晃が好調をキープ。前半戦では出場機会の少なかったプロ17年目の福浦和也も、勝負強いバッティングで存在感を増している。

 ライバルの埼玉西武、福岡ソフトバンクとのゲーム差はわずか。し烈な首位争いの真っただ中にあるが、2007年以降3年連続勝ち越しと、千葉ロッテは9月に勝負強さを見せる。
 主力がケガで離脱していた時期を耐え、リーグ戦はいよいよクライマックスへ。厚みを増した戦力で頂点に挑む「9月に強い千葉ロッテ」から目が離せない。

<了>
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