小宮山悟が語る大学日本代表が敗れた理由=世界大学野球選手権・総括

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決勝進出を懸けて準決勝・米国戦に先発した斎藤。初回に満塁弾を浴びるなど6回4失点で敗戦投手となった 【島尻譲】

 第5回世界大学野球選手権は7日、キューバの優勝で幕を閉じた。地元開催で初優勝を目指した日本代表は準決勝で米国に敗れたが、3位決定戦で韓国に勝利して3位となった。日本が優勝に届かなかった理由とは!? 千葉ロッテや大リーグで活躍し、Jスポーツでテレビ解説を務めた小宮山悟氏に話を聞いた。

あれだけ速くて動く球を投げるピッチャーは日本にはいない

――地元開催で初優勝を目指した日本は準決勝で米国に敗れました

 準決勝の米国戦に敗れて、パワーピッチャーのすごさを痛感したのではないでしょうか。米国の先発、ソニー・グレーは速くて動く球を投げるいいピッチャーでした。あれだけ速くて動く球を投げてくるピッチャーは日本にはいないわけです。打者としては慣れない部分が差となって出たと言えるでしょう。もちろん、国際大会に出場するなどして準備をしてきたと思いますが、その経験の差が出ましたね。

 予選で敗れたキューバに関してはケタが違います。WBC代表や27歳の選手もいて、日本の大学生とはカテゴリーが違うので、力負けしても仕方ない。そう思えるぐらいのチームでした。

「きれいな直球」ではキューバ打線は抑えられない

――韓国をストレートで抑え込んだ藤岡貴裕(東洋大3年)がキューバには打たれました

 きれいな直球はダメですよ。動かないと。カットファストボールとかの速くて動く球とチェンジアップ、そこにブレーキのあるカーブなどを駆使していかないとキューバ打線は抑えられません。決勝戦では米国のゲリット・コールがそうした投球をして7回無失点に抑えました。速いボールを相当、右打者の内角に食い込ませていました。だからこそ決勝戦は接戦になったわけです。(延長10回、キューバが4対3でサヨナラ勝ち)

――日本が今後、世界で勝つために必要なことは

 日本は「いい経験になった」で終わらせてはダメ。今のままでいいのか、どこを目指すのかをまず決めないと。国内なら今までのスタイルで通用するかもしれないけど、それぞれの選手がどこを目指すのか。世界で優勝するためには変えないといけない部分があることは明らかなんです。国際大会の出場を増やすなどの努力はもちろん必要ですけど、まずは個人個人がどこを目指して、そこに向けてどう自分を変えていくかですね。

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