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リベリーとベンゼマだけじゃない?

 ワールドカップ(W杯)で動きの止まっていたフランス法廷の調査も動き始めた。リベリーとベンゼマによる未成年買春疑惑の調査が始まっている。


 W杯期間中は、大統領の指示で捜査が止まっていた。フランス代表をトラブルに巻き込ませたくないという配慮があったからだが、“レ・ブルー”(フランス代表の愛称)はほかの要因でトラブルを起こしてしまうという結末になっている。ともあれ、ベンゼマは23人のW杯メンバーから外れていたが、リベリーは代表としてプレーする機会を得ている。


 リベリーとベンゼマは有罪となれば禁固3年、罰金4万5000ユーロ(約511万円)を科される。2人とも罪状を否認しており、ベンゼマは売春婦との関係そのものを否定している。リベリーの方は関係を認めているが、売春婦の年齢は知らなかったと主張。フランスの法律では、セックス自体は15歳から認めているが、18歳以下の買春については犯罪である。2人との関係を疑われているサニア・ドゥアは当時16歳だった。サニアは、4月にシャンゼリゼのナイトクラブ、ゼーマンカフェが摘発された時に逮捕されていた。


 リベリーにとってまずいことは、彼がミュンヘンでの自分の誕生日パーティーにサニアを招待していたことだ。航空券を買って渡しており、そのときにサニアの年齢を知り得たはずなのだ。リベリーの弁護士は、リベリーの友人がチケットを手配し、サニアは空港でチケットを自分で受け取っていると述べた。サニアは警察の調べで、数人のサッカー選手に金をもらってセックスをしたと話している。その中にリベリー、ベンゼマが含まれていて、さらにシドニー・ゴブーの名前も出た。しかし、ゴブーと関係を持ったのは、すでに彼女が18歳の時であるため、ゴブーの買春犯罪は成立しない。ただ、リベリーのケースでも、仲介人はサニアの年齢を言っていない。これはかなり重要な証言だろう。


 フランスのアダルト業界では有名なプロデューサーが、すでにサニアに出演依頼を持ち掛けているが、サニアはそれを拒否しているという。リベリーの未来はまだ不明瞭(めいりょう)だ。当面、彼の妻は夫を支持しているように見えるが、そうではないという意見もある。実は、フランスにおけるセックス・スキャンダルはタブーではない。スポーツ界であれ、ほかの業界であれ、例えば米国のように社会の敵のように扱われることには間違いなく、ならないのだ。ともあれ、2人の未来がどうなるか予測する前に、過去の事例がどうなったか振り返ってみよう。

 2008年にはブラジルのロナウドが3人の売春婦を買ってモーテルに連れ込んだところ、全員男だったというスキャンダルがあった。当時、ロナウドは婚約者とも別れていて、むしろこの件では同情されている。09年のジョン・テリーの件は、笑い話では済まなかった。同年の年間ダディ賞にも選出されたテリーだが、ハズバンド賞の受賞は無理だろう。元チームメートで親友のウェイン・ブリッジの婚約者だったバネッサ・ペロンセルと関係を持ち、そのためにカペッロ監督に代表キャプテンの座から下ろされてしまった。


 イングランド代表監督時代のスベン・ゴラン・エリクソンは同時に3人の女性と交際していた。有名なイタリア系米国人で弁護士のナンシー・デルオリオ、スウェーデン人の天気予報士ウルリカ・ヨンソン、そしてイングランド協会の秘書ファリア・アラム。結局、ヨンソンとアラムの怒りを買ったエリクソンは、タブロイド紙に“夜のパフォーマンス”をタレ込まれてしまい、それからはゴシップのネタとしてさんざんイジられることに。

 この手の話題ではアシュリー・コールは欠かせない。08年1月、美容師のエイミー・ウォルトンとの仲をタブロイド紙に暴露された時は、妻のシェリルは夫の味方だった。しかし1年後、ソニア・ワイルドがコールとの関係を暴露、さすがに夫人も堪忍袋の緒が切れて離婚と相成った。


 リベリー以前にも、バイエルン・ミュンヘンはスキャンダルに見舞われている。03年、オリバー・カーンは夫人が第二子の出産直前に家を空け、21歳のベレナ・ケースの尻を追い回していたことが発覚。全国的なスキャンダルとなった。1999年、イスラエルはユーロ(欧州選手権)2000出場を懸けてデンマークとのプレーオフに臨んだのだが、テルアビブでの第1戦を0−5で落としてしまう。しかも試合当日の夕方、ほとんどの選手が売春婦と遊んでいたことが発覚してスキャンダルになった。調査の結果、試合後にも呼んでいた選手がいた。騒ぎを鎮めた首相のコメントが振るっていた。「もしデンマーク人がコールガールを利用していたとしても、試合の結果は同じだったろう。要は弱いということだ」


 00年6月、まだ若かったリオ・ファーディナンドは友人とともにキプロスのリゾート地へ行った。ナイトライフとクラブで有名なその地で数日を過ごしたのだが、それが盗撮されてビデオテープが出回った。友人の中にはフランク・ランパードも含まれていた。


 さて、こうした過去の事例から、選手がセックス・スキャンダルで引退に追い込まれることはまずないだろうと予測できる。リベリーとベンゼマにとっては朗報だろう。


<了>

ポール・ギバルシュタイン/Paul Gibersztajn

1965年10月20日生まれ。1992年よりスポーツジャーナリズムの世界に入り、主に記者としてフランスの雑誌やインターネットサイトに寄稿している。フランスのサイト『www.sporever.fr』と『www.football365.fr』の編集長も務める。98年フランスワールドカップ中には、イスラエルのラジオ番組『ラジオ99』に携わった。イタリア・セリエA専門誌『Il Guerin Sportivo』をはじめ、海外の雑誌にも数多く寄稿。97年より『ストライカー』、『サッカーダイジェスト』、『サッカー批評』、『Number』といった日本の雑誌にも執筆している。ボクシングへの造詣も深い。携帯版スポーツナビでも連載中

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