金メダル逃した斎藤に米国は高評価=世界大学野球選手権準決勝・米国戦リポート
抜けた変化球で満塁弾浴びる
決勝進出を懸けて準決勝・米国戦に先発した斎藤。初回に満塁弾を浴びるなど6回4失点で敗戦投手となった 【島尻譲】
それでも2回以降の斎藤は持ち味の変化球を低めに集め、気持ちの入った投球を見せた。味方の野選が絡んで背負った5回1死一、二塁の場面では、逆転本塁打を打たれたスプリンガーを143キロのストレートで空振り三振、続くニック・ラミレスからも空振り三振を奪ってピンチを脱するなど、粘りを発揮。榎本保監督が「日本人にはない体格、体力を持っている」と語るパワフルな米国打線をかわし、6回4失点と最低限の仕事を果たした。
狙ったところに投げられる制球力に脱帽
勝った米国も、簡単な試合ではなかったことを認める。打ったスプリンガーは、「斎藤はストレート、フォーク、スライダー、どれも自分が必要なときに、狙ったところに投げられる」とその制球力に脱帽。キンナバーグ監督は、「もちろん、今すぐにという話ではないが、斎藤がメジャーでも通用するのは間違いない。マイナーでストレート、フォーク主体の今の投球を磨けばね」とその資質の高さを評価した。
試合後の記者会見に姿を見せず
「(斎藤が)4年間ジャパンの一員としてやって、どれだけこの試合に懸けていたかを感じていた。野球人の先輩として、彼の気持ちが分かるから勘弁してください」(榎本監督)
準決勝に日本のエース・斎藤で必勝を期したものの、米国の壁に跳ね返された。榎本監督は会見の最中、敗戦の悔しさ、そして斎藤の無念を思い、涙ぐむ場面も見せた。だが、日本代表にはまだ3位決定戦がある。韓国と対戦するこの一戦に向け、指揮官は「絶対にメダルを死守する」と意気込む。世界一には届かなかったが、アジアのライバルを倒し、有終の美を飾るつもりだ。
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