日本、キューバに打ち負ける!菅野は157キロ=世界大学野球選手権

スポーツナビ
キ 301 032 120=12
日 040 000 003=7
キューバ:ヒメネス、サンチェス、イノホサ、M・ゴンザレス
日本:藤岡、加賀美、乾、中後、菅野
本塁打:オリベラ、セスペデス、ディアス、アブレウ(キ)、鈴木(日)

 第5回世界大学野球選手権3日目が1日に行われ、日本はキューバに7対12と打ち負けた。
 2戦連続完封勝利を記録していた日本自慢の投手陣が打ち込まれた。先発の藤岡貴裕(東洋大3年)が初回に2本の本塁打を浴びるなど4回4失点。7回から登板した菅野智之(東海大3年)は自己最速の157キロを記録したが、2本塁打を含む3失点とキューバ打線の力を見せつけられた。
 打線は2回に鈴木大地(東洋大3年)の3ランなどで逆転に成功し、9回にも多木裕史(法大2年)のタイムリーなどで3点を返す意地を見せた。ただ、7回に無死満塁のチャンスで無得点に終わるなど、制球を乱しがちなキューバ投手陣を攻め切れなかった。

■1回表
 日本の先発は藤岡(東洋大3年)。NPBフレッシュ選抜戦では5回無失点と好投した。
 先頭のマルティンが死球を与えると、セルセのショートゴロの間に一走のマルティンに三塁まで進まれる。1死三塁でオリベラに初球を打たれ、先制の2ランをレフトスタンドにたたき込まれた。デスパイネはファーストファウルフライに抑えるが、セスペデスには再びレフトスタンドに運ばれる本塁打。2死走者なしからアブレウに四球を与え、ディアスのセカンド内野安打で一、二塁とされる。モレホンを空振り三振でスリーアウト。
 藤岡のストレートをとらえるキューバのスイングスピードの速さが光った。

■1回裏
 キューバの先発はWBC代表の右腕・ヒメネス。
 日本は先頭の鈴木がセンター前ヒットで出塁すると、渡邉のバントが内野安打となり、無死一、二塁とチャンスをつくる。伊志嶺が送りバントを決めて1死二、三塁。ここで伊藤は内角低めのスライダーに空振り三振に倒れ、多木の打席で二走の鈴木が捕手からのけん制に刺されて攻撃終了。
 日本は無死一、二塁のチャンスを生かすことができなかった。

■2回表
 日本は藤岡が続投する。先頭のボロトをサードゴロエラーで塁に出すが、マルティンのバントを藤岡が素早く処理して二塁封殺。1死一塁でセルセは高いバウンドのサードゴロ。送球の間に一走が一気に三塁を狙うが、ファースト・多木が落ち着いて送球し、タッチアウト。1回にはキューバの積極的な走塁に進塁を許したが、2回は抑えた。

■2回裏
 日本は先頭の多木が低めの変化球に空振り三振に倒れるが、長谷川がセンター前にはじき返して出塁する。1死一塁から松本はレフトフライ。小池のライト前ヒットで長谷川は三塁に進み、2死一、三塁となる。ここで阿部がセンター前にタイムリーを放ち、日本が1点を返す。なおも2死一、二塁で1番・鈴木がライナーでライトスタンドに突き刺す逆転3ラン
 ここでキューバは左腕・サンチェスに投手交代。渡邉はセーフティーバントを試みるが、サンチェスがさばいて攻撃終了。

■3回表
 1点のリードをもらった藤岡は、前の打席で本塁打を打たれたオリベラをセカンドゴロとするが、渡邉の送球エラーで一気に三塁まで進まれてしまう。無死三塁でデスパイネをショートゴロに抑えるが、続くセスペデスに左中間を破られるタイムリー二塁打。同点に追いつかれる
 1死二塁でアブレウはショートゴロで、飛び出した二走を狭殺でタッチアウトとするが、打者走者には二塁に進まれる。2死二塁でディアスは三遊間を破るヒット。ここでレフト・長谷川が好返球を見せてタッチアウト。日本は勝ち越しを許さなかった。

■3回裏
 日本は先頭の伊志嶺が大飛球を放つがライトフライ。4番の伊藤はセカンドゴロに倒れる。多木はファーストゴロで3者凡退で攻撃を終えた。

■4回表
 藤岡は先頭のモレホンをスライダーで空振り三振に打ち取る。ボロトにライト前ヒットを許すが、マルティンを空振り三振に仕留め、二塁盗塁を狙ったボロトを小池が好送球でアウトにして併殺。無失点で切り抜けた。

■4回裏
 日本は先頭の長谷川が空振り三振に倒れる。1死走者なしから松本はストレートをとらえて左中間を破る二塁打。続く小池のショートゴロで二走の松本は判断良く三塁へ進む。2死三塁で阿部は外角のスライダーに空振り三振。
 日本は勝ち越しのチャンスを生かすことができなかった。

■5回表
 日本は藤岡に代えて加賀美(法大4年)をマウンドに送る。
 先頭のセルセにセンター前ヒット、オリベラにレフト前ヒットを許して無死一、二塁のピンチを背負う。デスパイネに四球を与えたところで投手交代。
 3番手は左腕・乾(東洋大4年)。無死満塁で迎えるは今大会6打数6安打、3本塁打、8打点のセスペデス。
 絶体絶命のピンチで、乾は低めの変化球でセスペデスを空振り三振に仕留める。しかし、アブレウに死球を与えて押し出し。1点を勝ち越される。なおも一死満塁でディアスにライト前にタイムリーを許し、2者が生還。三塁を狙った一走は三塁でアウトになる。2死一塁でモレホンをピッチャーゴロに抑えて攻撃終了。
 日本は3点を勝ち越された。

■5回裏
 前の打席で本塁打を放った鈴木は、サードファウルフライ、渡邉はセカンドゴロに倒れる。2死走者なしから伊志嶺はピッチャーゴロで3者凡退。

■6回表
 日本は3番手の乾が続投する。先頭のボロトにレフト前ヒット、マルティンにもレフト前ヒットを許したところで投手交代。変則左腕の中後(近大3年)がマウンドに上がる。
 無死一、二塁でセルセに送りバントを決められ、1死二、三塁。オリベラへの初球が死球となり、一死満塁とピンチが広がる。
 1死満塁で4番・デスパイネにレフト前タイムリーを浴びて追加点を奪われる。なおも一死満塁でセスペデスに高々と上がったレフト犠牲フライ。三走が生還し、二走は三塁へ進む。2死一、三塁でアブレウを空振り三振に打ち取って攻撃終了。
 日本は2点を奪われて突き放された。

■6回裏
 日本は先頭の伊藤が初球を打ち上げてレフトフライ。多木は見逃し三振に倒れる。2死走者なしから長谷川が一塁線を破る二塁打で出塁するが、松本は外角の変化球に見逃し三振。

■7回表
 日本は5番手として155キロ右腕・菅野(東海大3年)をマウンドに送る。球審が体調を崩して再開が遅れ、審判3人制で再開される。菅野は投球練習を終えてもマウンドで待たされ、戸惑いの表情を浮かべる。
 先頭のディアスにスライダーを打たれ、バックスクリーンへの本塁打を浴びる。モレホンには死球で無死一塁とするが、ボロトは148キロのストレートで空振り三振に仕留める。1死一塁でマルティンをスライダーで空振り三振に打ち取るが、モレホンの二盗を許して2死二塁。セルセをスライダーでセンターフライに抑えてスリーアウト。
 菅野にとってはイニング開始時のアクシデントが不運になった。

■7回裏
 キューバは2番手のサンチェスが続投する。
 先頭の小池が四球を選ぶと、キューバは右腕・イノホサをマウンドに送る。阿部が四球で無死一、二塁とチャンスが広がる。鈴木の打席で2ボールとなったところで、キューバは4番手のM・ゴンザレスに投手交代。M・ゴンザレスもストライクが入らず、鈴木は四球で無死満塁。
 ここで途中出場の岡崎は浅いセンターフライで走者動けず。伊志嶺は外角153キロのストレートに見逃し三振。4番・伊藤は高めのストレートに空振り三振を喫し、無死満塁のチャンスに得点することができなかった。

■8回表
 日本は捕手を伏見に代える。菅野と東海大バッテリーとなった。
 先頭のオリベラを外角スライダーで空振り三振。デスパイネへの4球目には自己最速の157キロを計時。最後は146キロのスライダーで空振り三振。セスペデスには変化球をセンター前に運ばれると、アブレウにはライトスタンドへ2ランを浴びた。ディアスをレフトフライに抑えてスリーアウト。
 菅野が自己最速の157キロを記録も、リードを広げられた。

■8回裏
 8点を追う日本は先頭の多木が四球で出塁し、二盗を成功させる。無死二塁から長谷川は三振、松本はピッチャーゴロに倒れる。2死二塁で伏見はサードゴロに打ち取られ、攻撃を終えた。

■9回表
 日本は菅野が続投。モレホンをサードゴロ、ボロトを空振り三振に打ち取る。マルティンをセカンドゴロに抑えて3者凡退。

■9回裏
 日本は先頭の阿部が三振に倒れるが、鈴木はライト線を破る二塁打で出塁する。代打・若松はセカンドゴロに倒れ、鈴木は三塁へ進む。2死三塁から伊志嶺のサードゴロエラーで鈴木が生還し、日本が1点を返す
 伊藤はライト前ヒットを放ち、2死一、二塁とチャンスをつくり、多木のセンター前ヒットで6点目。さらに長谷川がライト前タイムリーで7点目を奪う。なおも2死一、二塁で松本がレフトフライに倒れ、試合終了。
 日本は7対12とキューバに打ち負けた。

日本スタメン

1(三)鈴木
2(二)渡邉
3(中)伊志嶺
4(右)伊藤
5(一)多木
6(左)長谷川
7(指)松本
8(捕)小池
9(遊)阿部

投:藤岡

 第5回世界大学野球選手権3日目が1日に行われ、日本は予選リーグの1位通過を懸けて、キューバと対戦する。韓国、中国に連勝した日本の先発は藤岡貴裕(東洋大3年)。26日のNPBフレッシュ選抜との一戦で、将来が期待されるプロ選手を相手に5回1安打無失点の好投を見せた。打線では2試合連続本塁打と好調の伊藤隼太(慶大3年)が4番に入る。
 キューバは昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場メンバーを擁していて、前日の韓国戦では18得点を挙げて5回コールド勝ち。セスペデスは満塁本塁打を含む4打数4安打と大活躍を見せた。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント