K−1谷川氏「身売りではない」、中国系投資銀行と業務提携
K−1、DREAMを運営するFEGが中国系の投資銀行PUJIと業務提携(左から2人目がFEG谷川氏、同3人目がPUJIのマイケル・チェン氏) 【長谷川亮】
この会見でFEGの谷川貞治代表取締役は、上海や北京を中心とした投資銀行PUJI CAPITALとの業務提携を発表。今後はPUJI CAPITALの協力を得て「資金やノウハウ、企業パートナーを集め」(谷川氏)K−1やDREAMの世界的な展開を目指すという。
「日本で生まれた格闘技ビジネスをガラパゴスにせずもう一度世界へ打って出る、決意志表明するための会見です。もう一度世界へ向けて力をつけてやっていくために、アジアを中心にやっていきたい。アジアで手を結び“アジア発世界”で世界を制したい」と谷川氏。現在、業界の盟主の座は米UFCに奪われた形となっているが、「世界最大のファイティングカンパニーをもう一度作りたい」とも話していた。
また、谷川氏は「FEGが無くなるとか身売りするとか、他の会社に買われるという話ではありません」と注釈し、「我々(FEG)は得意分野であるコンテンツ作りに専念して、苦手な資金調達とかについてはPUJIさんにお願いする形です」と補足。また、今後は中国でのK−1の展開に力を入れたいとも語った。
「資本や事業パートナーを集め、世界的に展開したい」
PUJIのチェン氏はFEGが持つK−1および格闘技コンテンツに対し「非常に可能性を持っている」と高く評価 【長谷川亮】
「他の会社に身売りをするのではございません」と一部で囁かれた説を否定し、「我々だけでは限界なので、PUJIさんの力を借りて資本や事業パートナーを集め、世界的に展開したい」と、今回の業務提携に至った流れを説明した。
同席したPUJI CAPITALのマネージング・パートナー、マイケル・チェン氏はFEGを「格闘技の創業者でありパイオニア。世界で最も急進的に成長を遂げている格闘技の中心的存在であり、世界的に見ても最も可能性を持った団体」「持っているコンテンツはグローバルに、非常に可能性を持っている」として高く評価。
「世界規模の事業開発のお手伝いをさせて頂く」と意気込みを表し、自身も格闘技ファンということもあり、大きな可能性を秘めた中国での人材発掘および育成、そして大会開催を希望した。特にK−1中国大会に関しては「年内に最初の大会を開催したい」と、さっそく実現へ動いていることがチェン氏の口から明かされた。
さらにチェン氏は「3年ぐらいの間に200〜300億円の資金調達をし、5年ぐらいで事業価値が1000億行くぐらいにしたい」と青写真を語り、すでにそのための事業パートナー候補として、中国最大の国営メディア「SMG」や、世界トップ3に入るスポーツマーケティング会社「インフロント」と交渉中であることを明らかにした。
UFCの人気爆発で、格闘技の本場が日本からアメリカへ移行して久しい。
だがこの日、PUJI CAPITALという力強いパートナーを得て、FEGが格闘大国・日本復活へその狼煙を打ち上げた。
K−1ワールドGP開幕戦は10.2韓国、決勝は12月東京で
K−1ワールドGPの今後の日程ほか、谷川氏は上海大会の開催など意欲的に語った 【長谷川亮】
DREAMの笹原圭一イベントプロデューサーもこれに同調し、「アジアを中心に大きなマーケットを作りたい。DREAMとして選手が海外へ出ていくのは変わらず進めていくが、選手個人だけでなく我々プロモーターも世界へ打って出る。“世界標準”と言われるものに我々も取って変われるよう、そういった興行力や資金力を目指していく」と話した。
また、K−1ではすでに世界各地で予選を行うシステムを採用しているが、PUJI CAPITALとのパートナーシップが本格的に始まる来年からは、さらに開催の増加を検討。
谷川代表は他にもアジア戦略の一環として、マカオでのMMA大会開催やK−1上海大会開催の案を語っており、さらに今年のヘビー級ワールドGPは10月2日に韓国で開幕戦、決勝大会は12月に東京で行うことを明らかにした。
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