アラゴネス前監督は苦言、ファンは楽観視=スペイン代表のグループリーグを評価

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内容はまだまだだが、スペインは2勝1敗でグループ首位通過を決めた 【ロイター】

 ワールドカップ(W杯)のグループリーグ初戦でスイスに敗れた時点ではどうなることかと思われたが、スペインは結果的に、2勝1敗で予定通りのグループ首位通過を決めた。その戦いぶりは優勝候補と目された戦前の期待とは随分と異なるもので、専門家からは不安の声が多く聞かれる。だが、それでもチームは試合を追うごとに本来のプレーを取り戻しつつある。そして、そんなチームを現地で見守るファンは、盲目なまでに自分たちの可能性を信じていた。

アラゴネス前監督の苦言

 まさかの敗戦を喫したスイス戦後、誰よりも厳しくチームを批判したのはカタールのテレビ局アルジャジーラで現地中継の解説を務めるスペイン代表の前監督、ルイス・アラゴネスだった。現代表のベースを作り、ユーロ(欧州選手権)2008優勝を置き土産に勇退した“オルタレサの賢者”は、「勝利を目指すのに必要な確信性が欠けていた」と試合を振り返り、「ボールを持つ選手以外のスピードが足りない。もっと素早く動いてスペースを探すべきだ。問題はスタートからボランチ2枚で戦ったことだろう。わたしなら1枚で戦っていた」とシステム上の問題点を指摘していた。

 ノルマの2点差勝利は果たしたものの、数々の決定機を逃すなど決定力不足を露呈した第2戦のホンジュラス戦後もアラゴネス節は冴えた。「勝った。それだけだ。スペインのプレーには全く安心することができない。われわれは良い流れに乗っていない。安心してチリ戦に挑むには改善が必要だ」と不満を口にしたアラゴネスは、さらに「重要な最終節を考慮したのは分かるが、選手交代はチームを修正するものではなかった」とデルボスケ監督の采配(さいはい)にも疑問を投げ掛けた。

 ちなみに、アラゴネスは同テレビ局との契約を理由に、大会中の他メディアへのコメントを一切断っている。それだけに、これらの苦言はテレビ局から「面白いコメントを」と求められてのものだった可能性はある。ただ、アラゴネスの批判が、少ない国内報道の中でひと際異彩を放つ声色だったのは事実だ。それだけに、「スペインは大苦戦の末に勝利を手にした。後半は結果を重視すべく、ボールキープに走った」と話すにとどまったチリ戦後のコメントは少々期待外れではあった。

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