慶大「段違いだった」 菅野に17三振を奪われ完敗=全日本大学野球選手権リポート

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打線が調子を落とし、「積極的に振らなくなってしまった」

 第59回全日本大学選手権準決勝が12日、神宮球場で行われ、慶大は0対5と東海大に完封負けを喫した。

 東京六大学を制した慶大にとって、屈辱的な敗戦となった。東海大・菅野智之(3年=東海大相模高)の前に、毎回の17三振を奪われての完敗。5月31日のリーグ優勝がかかった早大戦で、プロ注目の斎藤佑樹、福井優也、大石達也を攻略した打線が4安打と沈黙した。
 試合後の慶大・江藤省三監督は悔しさを押し殺したような表情で語り始めた。「(菅野は)いいピッチャーですよ。あれだけ三振を取られたら……。指示は出したけどダメだったね」。大会前には、故障者が回復したことで戦力がアップしていると話していたが、実際にはリーグ戦が終わってから調子を落とした選手が多かった。「練習で調子が落ちていることを自覚しているから、積極的に振らなくなってしまった。振らないから追い込まれて三振が増えた」と、17三振を奪われた理由を語った。

 菅野については、「六大学では明大の野村(祐輔)らと肩を並べるぐらいの投手」と想定していたが、菅野の球数が100球を超えた7回以降はパーフェクトに抑えられるなど圧倒され、「今日は段違いだった」と負けを認めた。

 3打数3三振に終わった5番・高尾康浩(4年=慶応高)は「完敗です」と、サバサバした表情で語り、「速いのもそうだけど、コントロールがいい。ストライクかボールがぎりぎりのところを突いてくる」と、菅野との対戦を振り返った。

 優勝した1987年以来の決勝進出を逃した江藤監督は、「ああいうピッチングをされたら点を取れない。まだまだ練習が足りないということ」とチームを鍛え直すことを誓った。大学史上初のプロ出身監督を招いて、リーグ戦優勝と結果を残した慶大。秋のリーグ戦優勝、大学日本一に向けて新たな挑戦が始まった。

<了>
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