輝ラリ末脚エイシンフラッシュ!“史上最高”ダービー制す

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敗れて悔いなし橋口師、しかし来年こそは悲願を

評価急落を覆した2歳王者の意地! ローズキングダムの奮闘に橋口調教師も納得の表情だった 【スポーツナビ】

 一方、2着に競り負けた後藤浩輝騎乗のローズキングダム。薔薇王国の復興は目前だった。騎乗停止中の主戦・小牧太に替わって手綱をとった後藤との息もピッタリに道中は中団で折り合い、直線は外から矢のような伸び。440キロの小柄な馬体を目いっぱいに駆使し、府中の直線525メートルを躍動した。

 しかし、ほんのクビ差。一度は先頭に立ったもののエイシンフラッシュの追撃に抵抗できず、ゴール寸前での逆転敗戦。文字通りの惜敗だった。
 「最高の競馬だったよ。負けても納得だな」
 悔しさが残るはずのレース直後、明るい口調でこう語ったのはローズキングダムを管理する橋口調教師だった。通算15回目、延べ17頭目のダービー挑戦で、1996年ダンスインザダーク、04年ハーツクライ、そして昨年のリーチザクラウンに続き、またしても2着。大願成就ならず、一番悔しいはずのトレーナーが晴れ晴れとした表情を浮かべていた。それだけ、ローズキングダムの奮闘がうれしかった。
 「道中はよし、よしと思っていたんだけどね。でも、きょうの競馬は相手を褒めるしかない。もちろん悔しいけど、でもいい競馬だった」

 無敗でGI朝日杯フューチュリティステークスを制し2歳王者となったものの、今年はこれまでGIIスプリングステークス3着、GI皐月賞4着と連敗。さらに、週初めにはザ石のアクシデントで出走すら危ぶまれるなど、ダービーへの道は苦難の連続だった。
 それでも、すべてのネガティブ要素を吹き飛ばすこの日の2着。完全復権こそならなかったが、「やっぱりローズキングダムは強い!」、改めてそうアピールする走りだった。
 秋こその頂点再奪取に大きな期待を残したローズキングダム。そして、橋口調教師は悲願ダービー制覇へ「来年、また頑張ります」、そう言い残して府中を後にした。

「これがダービーの難しさ、でしょうか」岩田、肩を落とす

「これがダービーを勝つ難しさ」と岩田、眼前にそびえる“壁”は今年も高く、そして険しかった 【スポーツナビ】

 ダービー制覇がいかに険しく、厳しい道なのか。それを今最も痛感しているのは、ヴィクトワールピサで3着に敗れた岩田かもしれない。
 「これがダービーの難しさ、でしょうか。全部がかみ合わないと勝てない」
 昨年のアンライバルドに続き、2年連続で1番人気馬に騎乗。だが、今年も結果に応えることはできなかった。
 道中は好位5番手のインを追走。「返し馬も良かったし、ゲートも出て皐月賞以上のベストポジションだった」。リズムも悪くなく、前が詰まるような不利もなかった。ただ、1000メートルの通過が61秒6というスローペースに、向こう正面でヴィクトワールピサがやや力んでしまったという。
 「ほんのちょっと力んでしまった分、直線で弾けきれなかったのかもしれないですね」
 そうは言っても、みんな同じ条件で走っていたから、と岩田。上位1着、2着との差は「折り合い、抜け出すタイミングとか僕ら以上のものがあったからだと思う」。そして、再び「ダービーの難しさ、ですね」とポツリ、つぶやいた。

 一方、ペルーサは発馬での出遅れが響き、後方追走からよく追い上げたものの、この上がりの競馬では6着が精一杯。横山典は「よく頑張ったよ。展開が向かないところもあったけど、よく頑張った」と相棒をねぎらった。

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