輝ラリ末脚エイシンフラッシュ!“史上最高”ダービー制す
若葉S熱発回避がかえってダービーでの体調を最高潮に
パドックで見た愛馬の出来は「最高だった」 【スポーツナビ】
喜びを噛みしめるような表情で、藤原英昭調教師が勝利調教師インタビューの席についた。2001年に厩舎を栗東トレーニングセンターで開業し、今年が節目の10年目。08年のGIヴィクトリアマイルではエイジアンウインズでウオッカを負かしてJRA・GI初制覇を達成し、昨年はサクセスブロッケンでカネヒキリを撃破してのGIフェブラリーS勝利。今や全国リーディングの常連となりつつある45歳の若手トレーナーが、ダービートレーナーの仲間入りを果たした。
「馬の脚質や乗り味などで、中山の皐月賞でいい結果が出ると思っていました」
もともとはクラシック第一冠・GI皐月賞を狙っていた素材。だが、中間の熱発でトライアルレースの若葉Sを回避するなど、不安だらけの中で使った目標戦だった。しかし、災い転じて福となす。このアクシデントが逆にダービー制覇をグッと引き寄せる要因にもなっていたのだ。
「あのアクシデントがあったおかげで、かえってダービーへ向けてはいいローテーションになりましたね。状態もすごく良くなっていました。パドックでは最高でしたね」
馬の状態はいいから勝負して来い。内田博にはそう声を掛けて送り出したという。そして、愛馬は最高の結果を出して戻ってきた。
藤原英調教師「真の夢は武豊が出てるダービーで勝つこと」
秋シーズンには武豊の最強のライバルとして立ちはだかるか 【スポーツナビ】
前日のGII金鯱賞でレース中に故障し、ターフに散ったタスカータソルテ。07年ダービーで、その背中に乗っていたのは武豊。直前の乗り替わりで騎乗馬がなかった武豊に、藤原英調教師がタスカータソルテへの騎乗を依頼した。そんな経緯がある。また、落馬負傷したGIII毎日杯で武豊が騎乗していた馬が、藤原英厩舎のザタイキだった。
そして、1つの大きな夢がかなった藤原英調教師は、実は本当の夢がもう1つある、と冗談めかした笑みでこう語った。
「夢は日本ダービーだったんですが、真の夢は武豊が出てるダービーで勝ちたいですね(笑)。来年、再来年といっしょにダービーに出て、いい競馬をしたいですね」
普段から快活な藤原英調教師らしい言い回しで負傷リハビリ中の武豊にエールを送る一方、愛馬エイシンフラッシュの次走については現時点では未定とする。
「これからまた体調を戻して、秋は菊花賞に行くのかどうかまだ分かりませんが、オーナーと相談して決めていきたい」
秋競馬では当然のことながら、武豊が全快&全開でターフを駆け巡っているだろう。その時、最大最強のライバルとして、藤原英調教師がエイシンフラッシュをさらにパワーアップさせて送り込むことになる。